栄養科通信vol.144 『ミートフリーマンデー』

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2020年オリンピック、パラリンピック東京大会開催まで1年を切りました。メダルのお披露目や新国立競技場も完成間近となり俄然盛り上がってきました。またプラスチックごみ問題や排気ガス、地球温暖化などオリンピック、パラリンピックを契機に環境にも意識が向けられています。環境省は「第18回東京大会が開催された1964年の頃は、戦後復興から高度経済成長を迎える一方で、緑地の開発や干潟の埋め立てなど自然的空間が急速に失われ、大気汚染や水質汚濁が深刻化しました。2020年に開催される第32回東京大会は、今後多くの国が直面する人口減少・高齢化が本格的に進展する社会の中における大会であり、また、同年は温室効果ガスの削減目標年と生物多様性に係る愛知目標の目標年になっています。公害や気候変動、自然破壊等の解決のためには、単に技術やインフラを導入するだけでなく、社会の仕組みや価値観の変化を含めた「循環共生型社会」の実現が必要です。」と述べています。

レジ袋の廃止やストローの利用を廃止するなど具体的な取り組みが始まっていますが、もっと私たちが簡単に取り組めることがあります。それが『ミートフリーマンデー』です。ミートフリーマンデーとは、元ビートルズのポール・マッカートニー氏が発起人となり〝週に1回お肉を食べない″というキャンペーンを行っているものです。氏は 「人々に、僕のようなベジタリアンになれと強制しているわけではないんだ。一週間に一回だけ、肉を食べない日をつくるだけで、地球の環境問題緩和に貢献することができる。週一回車を使わないことより、はるかに簡単だろう?」と語っています。

また、2008年の気候変動に関する政府間パネル「Intergovernmental Panel on Climate Change(IPCC)」のラジェンドラ・パチャウリ議長は「肉は生産過程で二酸化炭素を大量に排出し輸送でもエネルギーを使用する。肉の消費を減らすことは、個人ができる温暖化対策の一つである。」と述べています。温室効果ガス排出の主要原因が私たちの日々の食事であることは、もはや否定しがたい事実となっています。

内閣府の食堂では2017年4月から肉、魚など動物性食品を使わないベジタリアンメニューが導入されています。また、東京都庁の職員食堂ではポール・マッカートニー氏が小池知事に働きかけ、2018年10月よりミートフリーマンデーが採用されました。

エコバッグを携帯する、ミートフリーマンデーを月に1回やってみる、早寝早起きをするなど私たちにできることはいろいろあります。2020年オリンピック、パラリンピックに向けて、環境問題を考えていくことも日本で開催される意義の一つではないでしょうか。

管理栄養士 S.N