日別アーカイブ: 2020年1月17日(金曜日)

感染性胃腸炎について

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

2020年を迎え、早いことに半月を過ぎました。寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。今年もまだまだインフルエンザが流行しているようですが、今回はインフルエンザと同様、冬季を中心に流行する感染性胃腸炎についてお話したいと思います。

感染性胃腸炎の原因を代表するノロウイルスは、非常に感染力の強いウイルスです。潜伏期間は24~48時間で、主な症状は嘔吐や下痢、腹痛であり、発熱は軽度な場合が多いです。感染経路として、汚染されたカキなどの二枚貝を、生または十分に加熱調理しないで食べることで発症することがよく知られていると思いますが、感染者の糞便や吐物からの二次感染を起こすこともあります。治療法ですが、残念ながらこのウイルス自体に対する抗ウイルス剤はないため、対症療法となります。脱水症状を起こさないように水分と栄養補給をしっかり行いましょう。

感染性胃腸炎にならないためには、予防をすることが大切です。その中でも一番大切なのは、こまめに手を洗うことです。トイレ後や調理、食事の前には石けんと流水で十分に手を洗い、アルコール消毒しましょう。

感染者の糞便や吐物を処理するときは、必ず使い捨て手袋やマスクを着用しましょう。拭き取ったあとは塩素消毒液(200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きしましょう。拭き取りに使用したペーパータオルなどは、それらが十分に浸る量の塩素消毒液(1000ppm)を入れたビニール袋に、密閉して廃棄しましょう。また、ノロウイルスは乾燥すると簡単に空気中に漂い、口に入って二次感染を引き起こすことがあるため、乾燥しないうちに素早く適切に処理し、処理した後は十分に換気することが重要です。

手洗いやアルコール消毒など、感染対策をしっかり行い寒い冬を元気に乗り切りましょう!

薬剤部 A

参考:厚生労働省ホームページ