日別アーカイブ: 2019年3月9日(土曜日)

麻疹(はしか)について

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

関西を中心に麻疹(はしか)が流行っていましたが、少しずつ他の都道府県にも広がってきています。

国内では、2008年に約1万1000人の患者が出ましたが、2006年から子供への予防接種を2回にするなどしたことで、患者は減りました。2015年には、世界保健機構(WHO)から、国内に土着ウイルスが存在しない「排除状態」と認定されています。しかし、最近では免疫を持たない人も増え、海外からの旅行者によってウイルスが持ち込まれ散発的に流行します。

麻疹(はしか)は麻疹ウイルスに感染後、約10日間の潜伏期間を経て、38度前後の熱やせきなど風邪に似た症状がみられます。2~4日続いた後、いったん熱は下がりますが再び、39度以上の熱や発疹がでます。熱が下がってからも3日程度は人にうつす恐れがあります。

麻疹ウイルスの感染力は非常に強く、患者のくしゃみなどで空気中に浮遊するウイルスを吸い込んだだけでも感染するため、マスクや手洗いだけでは予防できません。このため、麻疹ワクチンの予防接種が最も有効な予防法となります。麻疹ワクチンの接種歴を確認して、1回しか接種していない場合、1度も接種したことがない場合は、麻疹ワクチンの予防接種を受けましょう。麻疹に感染したことがある場合は、感染することはありませんのでワクチンは必要ありません。

2006年4月から予防接種法にもとづいて、生後12~24か月の間と小学校入学前の1年間の計2回麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)が接種されています。これ以外の年齢の方は医療機関に相談し、ワクチンの予防接種をうけましょう。

臨床検査技師 R.A