カテゴリー別アーカイブ: 倉敷ニューロモデュレーションセンター

【倉敷ニューロモデュレーションセンター専用サイト、8月下旬にオープン予定です】

現在、倉敷ニューロモデュレーションセンターでは専用サイトの作成を行っています。脳深部刺激(DBS)療法や脊髄刺激(SCS)療法についての説明だけでなく、手術までの流れや当院で可能な他の治療法についても分かりやすく・見やすく・伝わりやすいようなサイトを目指しています。
5月にサイト制作会社さんによる写真撮影を行いました。添付の画像は撮影時の様子です。先日も制作会社さんと当院の広報課との打ち合わせに参加しまし、デモサイトを確認しましたが、当院のチーム医療についても記載があり、当センターの特徴がよく分かるサイトだな、と思いました。
サイトの中には上利センター長からのメッセージはもちろん、当センターでのチーム医療の取り組みに参加する、多職種のスタッフ紹介もあります。
サイトのオープンは8月下旬を予定しています。サイトが出来上がりましたら、皆さん是非ご覧ください。
ニューロモデュレーション療法はまだまだその名前が知られていない治療法ですが、このサイトを通じニューロモデュレーション療法を多くの方に知っていただければと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター 医療秘書 M

世界パーキンソン病学会およびInfinity Users Meeting参加報告

令和元年6月4日(火)~7日(金)、京都府京都市の国立京都国際会館にて第5回世界パーキンソン病学会(WPC2019)が開催されました。
パーキンソン病の研究者や医療従事者、患者が集う非常に大きな国際会議であり、アジア初開催となります。

当院の上利崇倉敷ニューロモデュレーションセンター長が参加し講演を行いました。
講演内容は「効率的なディレクショナルリードのプログラミング」です。
脳深部刺激療法(DBS)の刺激する部位は繊細であり、刺激電極は高度化しているため、刺激の調整が重要となります。
6月1日よりアボット社のDBSシステムのバージョンアップにて、プログラミングソフト「InfomityTMシステム」が使用できるようになりました。
海外から半年遅れでの導入ですが、DBSの刺激調整において高い評価を受けています。
上利センター長はInfomityTMシステム使用の必要性や刺激電極ディレクショナルリードについてデュセルドルフ大学脳神経内科Groiss先生と講演を行いました。

さらに、6月8日(土)にヒルトン大阪でInfinity Users Meeting が開催され、国内でDBSに関わる医師や当院スタッフが参加しました。
上利センター長よりWPC2019の内容と当院でのDBS治療成果ついて講演を行いました。ご来場の方にも非常に関心をもって聴講していただきました。

 

その後、InfomityTMシステムの使用方法についてスタッフも講義を受けました。
当院ではDBSを受けた患者さまは術後3ヵ月目に入院して刺激調整を行います。
InfomityTMシステムはとても使いやすく、刺激電極の状況が細かくて分かりやすいです。
治療効果がある刺激部位の選択はDBSを受けた患者さんにとって生活をする上でとても大切です。

ニューロモデュレーションは日々進化を続けています。
最適な治療が提供できるよう、今後も治療や活動に積極的に関わり、情報発信していきます。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

当院の脳神経外科専門医3名が日本定位・機能神経外科学会機能的定位脳手術技術認定を受け、全4名になりました。

倉敷平成病院では2017年4月に機能的脳神経外科領域を専門とする「倉敷ニューロモデュレーションセンター」を開設し、DBS(脳深部刺激療法)を実施しております。
以前より、センター長の上利崇医師は技術認定を受けておりましたが、このたび、高尾聡一郎医師、篠山英道医師、重松秀明医師の3名が技術認定を受け、技術認定医が全4名となりました
2018年に引き続き、施設認定も継続しており、一層の専門強化。精度の高い手術の実施に努めてまいります。

※日本定位・機能神経外科学会では、技術認定委員会および理事会の決定により、過去3年間の機能的定位脳手術症例登録数が18例以上の施設を機能的定位脳手術技術認定施設とし、そこで一定数の症例の手術に関与した者に対し、技術認定を行うことを決定しております。

※画像は一部加工してあります。

秘書広報課

第12回日本ニューロモデュレーション学会指定講習会 ニューロモデュレーションサポートプロバイダー(NMSP)コース参加報告

令和元年5月11日(土)に東京都千代田区都市センターホテルにて第12回日本ニューロモデュレーション学会指定講習会が開催されました。当院からは看護師1名、理学療法士1名、臨床心理士1名、臨床工学技士1名、計4名が参加しました。

この講習会は脳深部刺激療法(DBS)と脊髄刺激療法(SCS)を受ける患者様に質の高い医療を提供するために開催されていました。今回より指定講習会受講後、試験に合格すると「ニューロモデュレーションサポートプロバイダー(NMSP)」の学会認定となります。今までは医療機器メーカ向け講習会のみでしたが、この治療をチーム医療として行うべきとして、医療従事者をメインの対象とした認定制度となりました。

講習会はSCSやDBSに関わる解剖、手術手技、各メーカの機器特徴などニューロモデュレーション治療の医師より講義を受けました。難しい内容もありましたが、とても勉強になりました。
受講した4名とも試験に合格して、後日認定を受けることができました。今後はNMSPが在籍し、専門知識を活かして治療に携わります。ニューロモデュレーションを必要とする患者様によりよい治療を提供できるよう体制を強化していきます。治療について興味がある方はご連絡ください。

 

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

 

機能的脳神経外科領域の専門書『ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A』に上利崇センター長が著書で協力いたしました

 このたび、中外医学社より岡山大学大学院医師薬学総合研究科脳神経外科教授 伊達勲先生が編者をつとめられた専門書、『ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A』がが出版されました。

この著書はの機能的脳神経外科分野で行われる定位脳手術や電気刺激療法についての専門書となっており、この分野へ取り組もうとする脳神経外科医にQ&A方式で情報を提供し、参画を期待するものです。

岡山大学では50年以上前からこの分野に取り組まれており、その歴史や、近年MRIが高性能になり電気刺激の電極を埋め込む位置が極めて正確に同定できるようになったこと、実際の手術に必要な器材(フレーム、ワークステーション、鍼電極、記録装置など)の詳細について、実際の手術や術後管理等が記されています。
こちらのリンクから冒頭数ページご覧いただけます

大変名誉なことに、当院 倉敷ニューロモデュレーションセンター上利崇センター長と倉敷平成病院臨床心理士 若森孝彰さんがこの専門書へ著者として協力させていただいております。

機能的脳神経外科を体系的に学びたい方には最適な一冊だと思われます。ご興味のある方は是非ご一読下さい。

秘書広報課

脳とあぶらの関係~倉敷ニューロモデュレーションセンターより~

「脳はあぶらでできている」って聞いたんだけど本当かしら?という質問を受けたので調べてみました。

私たちの脳は、40%がタンパク質、60%が脂質でできています。脂質のうち50%は神経細胞を保護するコレステロール、残り50%は神経組織を活性化させ、情報伝達をスムーズにするリン脂質やDHAです。脳の大部分を占めるあぶらですから、いいあぶらをとった方がいいんじゃないかと注目を集めている油についておさらいです。

その中で今回はココナッツオイルについて深めていきましょう。
ココナッツオイルの特徴として、すぐエネルギーになる中鎖脂肪酸を多く含むので、蓄積されず太りにくい。肝臓で分解されてケトン体を作る。という点があります。

このケトン体がポイント。通常、脳はブドウ糖をエネルギー源としてはたらきます。しかし、アルツハイマー病になるとブドウ糖をうまく使うことができなくなり、脳はガス欠のような状態になります。ブドウ糖を使えずエネルギー不足になると脳細胞は休眠し、はたらきが悪くなります。しかし、脳がブドウ糖だけではなくケトン体を使って活動することができることが分かりました。アルツハイマー病の脳ではブドウ糖は使えませんがケトン体を使うことはできるので、中鎖脂肪酸の摂取により体内でケトン体が作られれば、脳のエネルギー不足が解消され、はたらきがよくなり、認知機能が改善するというわけです。神経細胞の死滅がそれほど進んでいない段階までであれば、ケトン体補充による認知機能改善効果が期待できるとして現在も研究が進んでいます。ケトン体が作られるためには1日に大さじ2杯分のココナッツオイルが必要です。加えて、砂糖と一緒にとってはケトン体が作られにくくなるそうです。もとは油なので、すでに脂質異常がある方、肥満の方はとり過ぎないよう気をつけましょう。

このように、脳に関係すると言われる食材についての質問なども、随時受け付けています。食事面からニューロモデュレーションセンターのサポートが出来るよう、管理栄養士も頑張っていきます。

管理栄養士 A子

6月4日上利崇倉敷ニューロモデュレーションセンター長が世界パーキンソン病学会にて講演します

2019年6月4日~7日で、第5回世界パーキンソン病学会が京都で開催されます。

世界パーキンソン病学会は、パーキンソン病に関する新たな発見、治療法、介護方法等について国際的に話し合う場とされており、内科医、科学者、看護師、理学療法士、介護福祉士、パーキンソン病患者が一堂に集うことにより、難病であるパーキンソン病との付き合い方、治癒の方法を見出すことをミッションとした会議です。

国際本部は2004年に設置され、本会議は2006年より開催。これまで、第1回はワシントン(米国)、第2回はグラスゴー(英国)、第3回はモントリオール(カナダ)、第4回がポートランド(米国)で開催されており、アジアでの開催は初と なります。

この学会に、当院 上利崇 ニューロモデュレーションセンター長が「効率的なディレクショナルリードのプログラミング」と題して発表されますのでご案内いたします。

また後日、学会報告等もさせていただきます。

 

秘書広報課

ニューロモデュレーションセンターで新元号「令和」初の手術を実施しました

平成が終わり、新元号「令和」が始まりました。倉敷平成病院手術室では、令和第一号の手術が実施されました(同日は整形外科・形成外科等で手術が実施されました)
ニューロモデュレーションセンター上利崇センター長が執刀医をつとめ本態性振戦に対する凝固術が実施されました

凝固術は脳の視床といわれる部位の一部を熱凝固し、症状の軽減を図る治療法です。
局所麻酔で、頭蓋骨に小さな穴をあけ、凝固針をターゲットに挿入し、熱を加え異常な神経活動を抑制することにより症状の軽減を図ります。
手術中にCTでターゲットを確認したり、患者さんに、途中手を動かしていただいたり、声を出してしゃべりにくさやしびれの有無を確かめ、安全に配慮しながら手術が進められました。

令和の時代もニューロモデュレーションセンターはじめ倉敷平成病院一同、患者さまのQOL向上、地域医療に邁進してまいります。

広報課

倉敷ニューロモデュレーションセンター平成30年度手術件数報告と臨床工学技士の業務について

倉敷ニューロモデュレーションセンターが設立して2年となりました。平成30年度の手術実績を報告させていただきます。DBS新規植込み手術41件、DBS電池交換手術31件、熱凝固療法4件、SCS新規植込み手術17件、SCSトライアル手術22件、SCS電池交換手術4件、その他8件で合計127件の手術を行いました。

私は臨床工学技士として倉敷ニューロモデュレーションセンターに携わっています。今回は脳深部刺激療法(DBS)における臨床工学技士の役割について紹介したいと思います。
1)DBS手術における技術支援:DBS手術に対して臨床工学技士も手術室に入り、専用の医療機器の操作を行っています。
2)患者・家族への機器操作説明:DBS手術を行うと専用の機械を渡しします。臨床工学技士は患者や家族に対して機械の説明を行っています。
3)DBSコンタクトスクリーニングの実施:当ニューロモデュレーションセンターでは、DBS新規手術をされた方に対して3か月後に全例入院をしています。より効果的で治療範囲の高い設定となる電極位置を調べる検査を行っています。
DBSの患者や家族とかかわる機会が多くなり、症状、刺激、薬剤、リハビリ、栄養など多くの知識が必要だと感じてきました。それだけ、この治療はそれぞれの専門性が必要だと思います。医療機器の面からサポートして、安心していただけるようセンターの一員として頑張っていきたいと思います。

倉敷ニューロモデュレーションセンター ME T

金沢脳神経外科病院の方々が倉敷ニューロモデュレーションセンターを視察されました

3月20日(水)、石川県の金沢脳神経外科病院より、池田清延医師、旭雄士医師を始め看護師3名、臨床工学技士1名、リハビリ専門職(理学療法士1名、作業療法士1名、言語聴覚士1名)、医療秘書2名、計11名が、当院倉敷ニューロモデュレーションセンターの視察に来られました。


金沢脳神経外科病院でもDBS手術をされているとのことで、当日は手術見学(医師、臨床工学技師)以外にも、各専門職の立場からDBS治療における意見交換を行いました。


私はリハビリ専門職の立場から、手術前後の運動機能および心理・認知機能の評価項目や具体的方法、術後のリハビリ内容、服薬あり/なし状態に合わせた評価スケジュールの組み立て方など、多岐にわたる内容について話をさせて頂きました。

 

また1月に行われた日本定位・機能神経外科学会にて上利先生以外にPT3名(新免、山﨑、井上)、OT1名(小野)、CP1名(若森)が学会発表を行いましたが、その抄録内容に関する質問もあり、機能的脳神経外科領域において当院が注目されていることを改めて肌で感じました。
今回、意見交換をするなかで私自身、これまでの取り組みを振り返る良い機会となりました。これからも情報を密にし、ニューロモデュレーションにおけるリハ職種の関わりについて深めていきます。
倉敷ニューロモデュレーションセンター PT科長 Y

※補足 手術につちいては、午前に、パーキンソン病の70代、男性患者に対するDBS手術を見学。また午後より2件のSCS手術を見学されました。
大変素早い手技で、看護師さんの動きもスムーズでこんなに短時間で終了するとは驚きです。早速取り入れたい箇所がいくつかありました。とのコメントをいただきました。(広報)