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倉敷平成病院 市川薬剤部部長のコラムが週刊薬事新報(7月10日号:第3158号)に掲載されました

【熱闘、高校野球】

社会医療法人全仁会 倉敷平成病院 薬剤部 市川大介

 夏の風物詩と言えば、甲子園。今夏はCOVID-19の流行で、地方大会も中止となった。仕方がないとは言え、厳しい練習を重ねた高校生達には悲痛の決断だ。日本高校野球連盟から、春の選抜出場校に甲子園で1 試合の交流試合が実施されるとの報道があり、わずかながら救われた気がする。
どうして多くの人が野球に魅せられるのか。ラグビーやサッカーにも感動的な試合があって魅力的だが、終盤の大差は限られた時間では逆転できない。一方、野球には時間制限がないので、どんなに点差があっても、試合が終わるまで勝負が分からない。9 回裏2 アウト2 ストライク。次のフォークボールを打者が空振りすると、見ている誰もが試合は終わったと思い込む。しかし、ワンバウンドしたボールを捕手が取り損ねると、空振りした打者が一塁に走る、振り逃げだ。これを転機に劇的な大逆転劇が起こることもある。
ただ、プレーする側には、些細なきっかけで結果が真逆になる怖さがある。ほんのわずかタイミングがずれると凡打になり、いい当たりでも好捕されてアウトになる。平凡なゴロやフライが、ちょっとした何かで捕球できず、ちょっとした気持ちの変化がミスに繋がる。私自身も高校3 年間野球部だったが、試合は常に不安や緊張の連続だった。試合前日にスパイクやグローブを磨いて綺麗にし、根拠のないゲン担ぎをいろいろした。
ヒットを打てば、次も同じルーティンで「願掛け」した。人より努力すれば、何かを我慢すれば、最
後に運が味方してくれるかも、と言い聞かせていたのを思い出す。
プロ野球と違い、特に高校野球は一度負ければ終わりだ。凄い投手がいても、ヒットを打たれなくても、四球やエラーで点を取られて運悪く負けることがある。だから悔いのないよう、最後まで諦めず全力でぶつかる。そうした、ひたむきな姿が私達の心を強く魅了する。「どちらを応援するか」、私は、全力でプレーしているどちらも応援したい。勝負は時の運。来年は、高校球児達に熱い夏が訪れるのを期待したい。

 

この度、当院の市川大介薬剤部長のコラムが、週刊薬事新報(2020年7月10日号:第3158号)の29ページ「緑陰随想」に掲載されましたのでご紹介いたします。
市川部長のコラムは昨年も同誌に掲載されています。

秘書広報課

ハーブの効果

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自粛期間中にバジルの苗を買った家庭菜園初心者です。料理のアクセントにと思い、毎日水を与え育てていますが、物凄い勢いで成長し収穫が追いつきません(笑)。バジルの他にもミントやローズマリー、柑橘類などを料理に取り入れることで、リラックス効果が得られるような気分になります。アロマテラピーという自然療法があるように自宅で過ごす期間が長くなったこの時期、自然のパワーを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

バジルにはビタミン、ミネラル、鉄分、食物繊維、亜鉛など含んでおり栄養価が高く、βカロテンが多いため抗酸化作用があるとも言われています。古代ギリシャの王家の薬草として利用されるなど古くから効能が知られており、インドでは聖なる力を秘める神聖な植物として崇められているそうです。心身及び中枢神経の強壮作用や鎮静作用もあり、イライラをしずめて神経を落ち着かせる効果や、腹痛や吐き気、胃痙攣といった症状を鎮めてくれる効果があります。

ペパーミントには鎮静効果があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせてくれます。無気力や抑うつを改善する精神安定化作用もあり、神経症などにも利用されているそうです。乗り物酔いしやすい人はミントティーを飲んだり、乾燥したミントを携帯することで予防する効果もあるみたいなのでぜひ試してみてください。

ローズマリーは血管を強くし、血行をうながし、消化機能を高めることで新陳代謝を促進する作用があります。細胞の老化を防止する抗酸化作用があることから若返りのハーブとも言われています。記憶力や集中力を高めるのにも良いそうなのでオイルを体に塗ることや、アロマミストを使用するのも良さそうですね。

今回紹介したハーブはほんの一部ですが、一つ一つのハーブにいろいろな効能効果があります。妊娠している方や持病がある方は注意が必要なものもあるため、気になることがあれば気軽に相談してください。いろいろな場面で使用でき、気軽に楽しめるため是非試していただけたらと思います。ちなみに、私は茶とスパイスがブレンドされたチャイティーがマイブームです。

薬剤師 AAA

湿布による光線過敏症の予防法

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ちょうどいい気温で気持ち良く過ごせる時期ですね。ですが日差しは少しずつ強くなっているように思います。これから夏にかけては紫外線量が最も多くなるため光線過敏症に要注意です。
光線過敏症とは?紫外線をあびることにより皮膚炎が生じる疾患の総称です。薬による光線過敏症では、塗り薬や貼り薬などの外用薬を用いた部位に日が当たってかぶれる光接触皮膚炎と、内服薬や坐薬、注射薬の投与後に日が当たった皮膚に発疹ができる光線過敏型薬疹の2種類があり、原因となる薬剤もいろいろです。代表的なのが鎮痛消炎薬のケトプロフェンやジクロフェナクを含む湿布によるもので、市販もされていますので注意が必要です。光線過敏症がすべての人に発症するわけではありませんが、紫外線を避けることにより予防できるので使用する場合は以下の注意点を守りましょう。

●貼付部を紫外線が通りにくい衣服(長袖・長ズボン)あるいはサポーター等で、紫外線に当てないように覆いましょう。

●曇りの日やガラス越しの紫外線にも注意です。

●衣服やサポーターで覆えない場合は日焼け止めクリームを使用してもいいです。日焼け止めに使用される紫外線吸収剤であるオキシベンゾン及びオクトクリレンも光線過敏症の原因となることがあるためオキシベンゾン及びオクトクリレンを含まないものを使用しましょう。(「ノンケミカル」と記載されている紫外線吸収剤を含まない日焼け止めを選ぶと安心です。)また、光線過敏症の原因となる光線は主にUV-Aで、UV-Aを防ぐ効果の強さはPA(+~++++)で表示されていますので+の多いものを選ぶといいかと思います。

●湿布をはがした後も1か月ほど皮膚に薬剤が残る可能性がありますので1か月は同様に紫外線にさらさないように注意しましょう。

●貼付部に紅斑、そう痒感、刺激感などの症状が現れた場合はすぐに使用を中止して来院するか、皮膚科医に相談してください。

 注意点について聞いたことがある方も、おさらいになれば幸いです(^^)
薬剤部 こだ

薬を取り出しにくい時はありませんか?

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薬局や病院でもらった薬について、シートから取り出しにくい時、取り出せても薬が小さくてつまみにくい時はありませんか?また、一包化された袋がちぎりにくい時、ちぎった時に隣の袋までビリビリに破けてしまった時はありませんか?
今回はそんな困った時に役立つグッズを紹介します。
①シートから取り出しにくい時、薬が小さくてつまみにくい時「お薬取り出し器 トリダス」を使えば片手で簡単にお薬をシートから取り出すことができます。手の力が弱い方でも簡単に操作できます。取り出したお薬は小さなお皿に出てくるので、薬の粒を指でつまめない方でも安心して使えます。価格は1、400円くらいです。薬局で取り扱っていることがあります。
②一包化された袋がちぎりにくい時、ちぎった時に隣の袋までビリビリに破けてしまう時、
アスカ 電動レターオープナー」を使えば自動で袋をまっすぐに切ることができます。これも片手で簡単に操作できる商品です。まっすぐに切れるので、隣の袋まで破ける心配がありません。
最近は便利なグッズが増えてきています。毎日や毎食後にお薬を飲まれている方もおられると思います。参考になれば幸いです。
薬剤部 K
 ※執筆者の個人的意見であり、病院として推奨しているものではございません。

保湿剤

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3月に入り、体の乾燥も和らいできたでしょうか?
保湿剤には大きく分けて3種類あります。ワセリン製剤、ヘパリン類似物質製剤、尿素製剤です。今回はその特徴と使用するときの注意点についてお話させていただきます。

ワセリンは水と混じりにくい疎水性で、皮膚の表面に油の膜を形成し、肌の水分を逃がさないようにする作用があり、保湿効果は弱いです。そのため乾燥した肌に塗るのではなく、お風呂上りの角質が十分に水分を含んだ状態で使用することが大切です(入浴後10分以内)。

ヘパリン類似物質製剤は親水性で角層内の水分と結合し、肌に水分を補給する作用があります。入浴後に保湿すれば効果的ですが、1分後でも1時間後の塗布でも効果に差はあまりなく、忘れずに塗布することが大切です。ヘパリン類似物質製剤の使用は入浴後だけではなく、乾燥肌の機能改善のために頻回に使用するのがよいそうです。塗布回数が塗布量よりも重要です。すでに乾燥肌の症状が発現している場合、肌の表面が荒れてしまっていることもあるので、すり込まないように多めに塗りましょう。すり込むと物理的刺激で赤くなったり痒くなったりしますよ。ヘパリン類似物質製剤は色々な剤形があるので、選択基準を以下に示します。

尿素製剤はヘパリン類似物質製剤と同様の作用と角質融解作用も持っています。ただし、乾燥が強いところや赤みのあるところに塗ると刺激を感じることもあります。

製品の特徴を把握して、使用感の好み(しっとりorさっぱり)や塗る範囲、季節や使用する時間によって使い分けてみてください。

薬剤部 MO

アンサング・シンデレラ

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新型コロナウイルス流行のニュースが席巻していますが、その裏側で、私たち病院薬剤師にとって明るいニュースが密かに盛り上がっています。これまで、「コードブルー」「チームバチスタの栄光」「ドクターX」など、医療を題材にしたテレビドラマは数多くありましたが、どのドラマでも「薬剤師」はフォーカスされませんでした。最近では、窪田正孝さんが主演を務めた「ラジエーションハウス」がテレビドラマ化され、医療技術職の一つである「放射線技師」が脚光を浴びたのを、少し羨ましく思ったりもしました。

ようやく「病院薬剤師」が主人公の新・医療ドラマとして、今春2020年4月から、荒井ママレさん原作の「アンサング・シンデレラ」が、フジテレビ系列で毎週木曜夜10時から、石原さとみさん主演で放送されることが決定したそうです。「アンサング(unsung)」とは、詩歌にうたわれていない、人・業績などが詩歌によってほめたたえられない、という直訳のようで、「unsung hero」は「縁の下の力持ち」という意味だそうです。病院薬剤師には薬局にこもって医師の処方箋を見ながら薬を調剤する裏方的な職業というイメージが先行しています。最近では、「薬局の窓口で薬を渡して説明する人」という印象が強くなっているでしょうか。それでも、病棟で患者さんやご家族とお話ししていると、「調剤薬局の方ですか?」とか「薬代はいくらですか?」なんてこともよく聞かれ、病院の中で働いている「病院薬剤師」の認知度が低いと感じることも多々あります。

私も、発売されている1~3巻を購入して読みました。私たちの日常は、コミックのようなドラマチックな事が毎日起こっているわけではありませんが、チーム医療で患者さんに寄り添う想いは、全国の病院薬剤師に共通するものです。「薬剤師」は、大学薬学部や薬科系大学などの6年制課程を修了し、「薬剤師国家試験」に合格して与えられる国家資格で、就職先は、病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、官公庁など様々です。ドラマをきっかけに「病院薬剤師」が広く認知され、これから「病院薬剤師」を目指す人達が増えるのを密かに期待します。石原さとみさん演じる病院薬剤師の姿が単なるフィクションとして終わってしまわないよう、テレビを契機に私たちが日々の業務を充実・発展させることに取り組み、病院薬剤師の魅力や社会的地位を高めるように努力することが重要だと思います。そして、将来薬剤師として病院で働きたいと夢見る人たちが活躍できる環境をもっと充実させていかなければ、なんて思いながら、4月を心待ちにしたいと思います。

薬剤師 いっちー

感染性胃腸炎について

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2020年を迎え、早いことに半月を過ぎました。寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。今年もまだまだインフルエンザが流行しているようですが、今回はインフルエンザと同様、冬季を中心に流行する感染性胃腸炎についてお話したいと思います。

感染性胃腸炎の原因を代表するノロウイルスは、非常に感染力の強いウイルスです。潜伏期間は24~48時間で、主な症状は嘔吐や下痢、腹痛であり、発熱は軽度な場合が多いです。感染経路として、汚染されたカキなどの二枚貝を、生または十分に加熱調理しないで食べることで発症することがよく知られていると思いますが、感染者の糞便や吐物からの二次感染を起こすこともあります。治療法ですが、残念ながらこのウイルス自体に対する抗ウイルス剤はないため、対症療法となります。脱水症状を起こさないように水分と栄養補給をしっかり行いましょう。

感染性胃腸炎にならないためには、予防をすることが大切です。その中でも一番大切なのは、こまめに手を洗うことです。トイレ後や調理、食事の前には石けんと流水で十分に手を洗い、アルコール消毒しましょう。

感染者の糞便や吐物を処理するときは、必ず使い捨て手袋やマスクを着用しましょう。拭き取ったあとは塩素消毒液(200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きしましょう。拭き取りに使用したペーパータオルなどは、それらが十分に浸る量の塩素消毒液(1000ppm)を入れたビニール袋に、密閉して廃棄しましょう。また、ノロウイルスは乾燥すると簡単に空気中に漂い、口に入って二次感染を引き起こすことがあるため、乾燥しないうちに素早く適切に処理し、処理した後は十分に換気することが重要です。

手洗いやアルコール消毒など、感染対策をしっかり行い寒い冬を元気に乗り切りましょう!

薬剤部 A

参考:厚生労働省ホームページ

お薬手帳について

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12月も半ばに差し掛かり、2019年も残すところわずかになってきましたね。そろそろ年賀状の準備をしなければと思われている方も多いのではないでしょうか。年賀状は新年のあいさつに加え、親戚や友人に対し近況報告をすることができる良い機会です。では、患者と医療者との間の近況報告は一体どのような手段があるのでしょうか。定期的に病院を受診することなど、様々な例があるとは思います。本日は「薬」に関して、患者と医療者、また医療機関同士でも近況報告を行える手段として重要な役割のある「お薬手帳」についてお話していきたいと思います。

お薬手帳とは、いつ、どこの病院で、どのような薬をもらったかがわかるように記録していく手帳のことで、基本的には医療機関や薬局で手に入ります。複数の医療機関を受診した場合や、薬の内容が変わったとき、引っ越しをしたとき、災害時など、この手帳を見せるだけでそれぞれの患者さんの薬の内容がわかるようになります。また、お薬手帳は、複数の医療機関で同じお薬が重複して処方されることを防いでくれ、また、薬の飲み合わせで問題がないかを確認できる資料としての役割もあります。
また、急に体調が悪くなり救急病院に搬送される事態となった場合、ご自身で伝えられる状況にない時も、薬の服薬内容を医療機関に発信できることは治療方針を決定する上でとても役立ちます。実際、当院でも入院時には私たち薬剤師が患者さん1人1人の服薬内容をチェックしていますが、その際お薬手帳があるととても助かっています。

お薬手帳は医療機関側のみが記入できるというものではありません。「先生から薬の変更を伝えられたからメモしておこう。」「この薬が何の薬かわからない。」「最近こんな症状がある。」など、ご自身の気になることや、今の症状など、患者さんご自身で何を記入していただいても大丈夫なものです。お薬手帳という名の、患者さんと医療機関、また医療機関同士をつなぐ“連絡ノート”のような役割を果たすものとも言えるでしょう。

最近はお薬手帳の携帯アプリも登場しています。手帳を持ち歩くことに抵抗がある方はこのようなツールがあることも知っていただき、ご自身で使いやすいと思われるものを選択し、ぜひ活用していただければと思います。

薬剤部 MK

インフルエンザについて

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11月に突入し、本格的に冬が近づきますます肌寒くなってきました。みなさん体調管理はしっかりできているでしょうか。今回は、毎年秋から冬にかけて流行を迎えるインフルエンザについてお話します。

一般的な風邪は1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。一般的な風邪は様々なウイルスによって起こり、その多くはのどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こり、高熱を伴って急激に発症し、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振など全身症状が現れます。併せて一般的な風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を発症し、ご高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴うなど、重症化することがあります。

2018年、インフルエンザ治療薬として8年ぶりに「ゾフルーザ」という薬が新しく発売されました。従来の「タミフル」、「イナビル」、「ラピアクタ」といったインフルエンザ治療薬は、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に広がるのを防ぐことで効果を示します。一方、「ゾフルーザ」は細胞内でウイルス自体の増殖を抑制することで効果を示し、1回服用するだけで治療が完了するなど、これまでのインフルエンザ治療薬とは異なる作用を有しているのが特徴です。

当院では、10月上旬からインフルエンザの予防接種が開始となりました。ワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかり、一度できた抗体による免疫の持続期間は5ヶ月ほどです。インフルエンザは、咳やくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に侵入することで起こります。ワクチンによる抗体でウイルスの侵入そのものを阻止できるわけではないため、感染を完全に防ぐことは出来ません。しかし、重症化を抑え、比較的軽症で回復することが期待できるため、ワクチンを接種しておくことは大いに意味のあることです。 特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、流行する前に毎年受けることを推奨します。

今年もあと2ヶ月となり今後ますます寒い季節となりますが、普段から十分な栄養、睡眠をとり免疫力を高めておくことが大切です。手洗い・マスク着用を基本とし、しっかりと予防を心がけましょう。

薬剤部 KF

便秘薬「酸化マグネシウム」について

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こんにちは、10月も終わりに近づいてきました。朝晩寒くなってきましたが体調は崩されていないでしょうか。

さて、“○○の秋”と聞くと、読書の秋や食欲の秋など様々なものが思い浮かびますよね。みなさんは今年の秋はどのような秋を過ごされていますか?“
○○の秋”で一番に思い浮かぶのは食欲の秋ですね。味覚の秋。秋の食材には、たくさん美味しいものがあります。
しかし、便秘だと美味しいものもたくさん楽しめませんよね。
そこで今回は、テレビCMでもよく見かける便秘薬「酸化マグネシウム」についてお話ししたいと思います。

便秘解消には水分摂取、食物繊維や発酵食品を取り入れた食事、運動などが大切だとされていますが、それでも解消できない場合に便秘薬を服用されている方も多いと思います。
「酸化マグネシウム」は、腸内に水分を引き寄せ、硬くなってしまっている便を軟らかくします。
水分を吸収するため、便のかさが増大しその刺激により腸の運動が活発になり排便を促します。腸を直接刺激する刺激性便秘薬とは異なり、習慣性が少ないことも特徴です。
水分を吸収するため、「酸化マグネシウム」はコップ一杯の水で飲むようにし、こまめに水分摂取を心掛けてください。

比較的安全性の高い薬として「酸化マグネシウム」は昭和25年から広く使用されています。お近くの薬局やドラッグストアでも簡単に購入できるようになりました。
しかし、「酸化マグネシウム」は医薬品です。特に病院で腎臓が悪いと言われた方、高齢者の方、病院で「マグミット」や「酸化マグネシウム」を処方されている方は、注意が必要です。
個人の体質や間違った飲み方により高マグネシウム血症など副作用が起きることがあります。
高マグネシウム血症の初期症状として吐き気・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈などがあります。また、他のお薬との相互作用もあります。

便秘に悩まれている方、市販の「酸化マグネシウム」を飲まれている方は今飲んでいるお薬との相性なども確認させていただきますので、ぜひ医師や薬剤師にご相談ください。

 

薬剤部 MN