湿布による光線過敏症の予防法

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:
ちょうどいい気温で気持ち良く過ごせる時期ですね。ですが日差しは少しずつ強くなっているように思います。これから夏にかけては紫外線量が最も多くなるため光線過敏症に要注意です。
光線過敏症とは?紫外線をあびることにより皮膚炎が生じる疾患の総称です。薬による光線過敏症では、塗り薬や貼り薬などの外用薬を用いた部位に日が当たってかぶれる光接触皮膚炎と、内服薬や坐薬、注射薬の投与後に日が当たった皮膚に発疹ができる光線過敏型薬疹の2種類があり、原因となる薬剤もいろいろです。代表的なのが鎮痛消炎薬のケトプロフェンやジクロフェナクを含む湿布によるもので、市販もされていますので注意が必要です。光線過敏症がすべての人に発症するわけではありませんが、紫外線を避けることにより予防できるので使用する場合は以下の注意点を守りましょう。

●貼付部を紫外線が通りにくい衣服(長袖・長ズボン)あるいはサポーター等で、紫外線に当てないように覆いましょう。

●曇りの日やガラス越しの紫外線にも注意です。

●衣服やサポーターで覆えない場合は日焼け止めクリームを使用してもいいです。日焼け止めに使用される紫外線吸収剤であるオキシベンゾン及びオクトクリレンも光線過敏症の原因となることがあるためオキシベンゾン及びオクトクリレンを含まないものを使用しましょう。(「ノンケミカル」と記載されている紫外線吸収剤を含まない日焼け止めを選ぶと安心です。)また、光線過敏症の原因となる光線は主にUV-Aで、UV-Aを防ぐ効果の強さはPA(+~++++)で表示されていますので+の多いものを選ぶといいかと思います。

●湿布をはがした後も1か月ほど皮膚に薬剤が残る可能性がありますので1か月は同様に紫外線にさらさないように注意しましょう。

●貼付部に紅斑、そう痒感、刺激感などの症状が現れた場合はすぐに使用を中止して来院するか、皮膚科医に相談してください。

 注意点について聞いたことがある方も、おさらいになれば幸いです(^^)
薬剤部 こだ