カテゴリー別アーカイブ: 臨床検査部

ワクチン接種後に献血はできる?

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我々臨床検査部は、日々の業務の中で血液製剤を扱っています。一般的に輸血と呼ばれるものですが、これは元をたどると献血によって賄われています。
そんな血液製剤ですが、実はコロナ禍の影響を受けています。緊急事態宣言発出などで、外出を自粛する人が増え、献血者数が減少しているようなのです。
私も業務で血液製剤を扱う身として、このピンチに貢献したいと思い、同僚と献血に行ってみようかという話になりましたが、ついこの前まで日本赤十字社から“新型コロナウイルスのワクチンを接種された方の献血の受入基準につきましては、国において検討中の段階であることから、基準が示されるまでの間、献血はご遠慮いただくこととしております”との掲示が出ていました。倉敷平成病院でも医療従事者向けの新型コロナワクチン先行接種が始まっていたので、せっかく献血に行こうとしていたのに行けないな~と落ち込んでいました。
しかし、2021年4月28日に日本赤十字社から新たに“mRNAワクチンを含むRNAワクチン接種後、48時間は献血不可。1回目、2回目の接種ともに、この期間を経過すれば献血可能。(※なおこの基準は2021年5月14日から適用)”との掲示があり、一定の基準をクリアすれば、新型コロナワクチン接種後でも献血できるようになりました。
これから一般向けのワクチン接種も始まり、広く接種されるようになります。そんな中で、献血に行きたいけど、どうしようと思われている方の参考になればと思います。
ちなみに、献血は事前予約することができ、密を避けて行うことも可能です。感染対策を万全にして、私も献血に行ってみようと思います。

参考:輸血用の血液がピンチ! 新型コロナで献血会中止相次ぎ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201226/k10012786421000.html

【令和3年5月14日から適用開始】
新型コロナウイルスワクチンを接種された方の献血受入れについて
https://www.jrc.or.jp/donation/blood/news/2021/0428_017376.html

臨床検査部 C.Y

アレルギー性結膜炎にご用心

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4月になり新年度が始まりましたね。入職して5年目に突入しましたが、時の流れの早さに驚いています。気持ち新たに新年度も頑張っていきます。

春になると花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか?私自身も春になると目のかゆみが現れ、普段はコンタクトレンズを装用しているので余計につらい季節です。花粉症のようなアレルギー性疾患にかかるとくしゃみや鼻水などの症状のほか、目にもかゆみや充血が現れることがよくあり、これをアレルギー性結膜炎と呼びます。

アレルギー性結膜炎にはある季節に限定して症状がみられる季節性のものと、季節に関係なく症状がみられる通年性の2タイプがあります。

季節性アレルギー性結膜炎は1年の特定の時期だけに、ある決まった植物の花粉が原因となって発症します。2月~5月に多く飛散するスギやヒノキの花粉が主な原因です。日常生活での注意点としては、花粉情報を有効に活用し、マスクや花粉防止用のメガネなどでしっかり防御して出かけましょう。衣類は花粉が付着しにくいナイロン地のコートなどがおすすめです。またコンタクトレンズを使用していると花粉症の症状がひどくなる傾向がありますが、その原因はレンズの汚れにあります。涙液の中にはたんぱく質や脂質が含まれており、それらは吸着性があるため空気中に浮遊している花粉や微生物を目に引き付けやすくしてしまいます。さらに花粉症によりかゆみで目をこすってしまうことにより、目の粘膜が傷つき、細菌による感染症を引き起こしてしまう危険性が高まります。よって花粉が飛ぶ季節にはいつも以上にレンズを清潔に保つことが大切です。

通年性アレルギー性結膜炎は1年を通して、ほこりなどの中にあるハウスダストやダニが主な要因となって発症します。ペットの抜け毛やフケ、カビも原因となる場合があります。日常生活での注意点としてはアレルギーの原因を寄せ付けないようにするための室内環境の整備が重要です。また免疫機能が低下すると症状を増悪させる恐れがあるため、生活習慣を見直し、ストレスをためない生活をするなどして免疫機能を正常に維持するように努めることが大切です。

参考:アルコン 花粉症とコンタクトレンズQ&A

臨床検査部 NK

もしかして脂肪肝?

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新生理検査室 受付

暖かくなり、春がすぐそこまで感じられる日も増えてきました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。新生理検査室へ引越しして約1か月。以前より明るくきれいな検査室となり、気持ちよく検査を受けていただいているのではないかと思います。処置室や外来診察室からもずいぶん近くなりました。
病院全体はまだまだ工事が続いており、院内の景色もガラリと変わってきています。検査室の場所など困ったことがあれば、お気軽に声をお掛けください。

 

さて、みなさん“脂肪肝”という言葉を耳にしたことはありますか?
脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が蓄積した状態のことです。“フォアグラ状態”と言った方がイメージしやすいかもしれません。日本人の3人に1人が脂肪肝といわれ、飲みすぎや食べ過ぎ、肥満などが原因でなります。最近では、無理なダイエットが原因で若い女性にも増えてきています!
以前は軽い病気と考えられていた脂肪肝でしたが、肝硬変や肝がんへ進行する可能性や生活習慣病のリスクを高めるといわれ、注目されることも増えてきています。
その中でも、お酒を飲まない人の脂肪肝が危険といわれています。お酒ではなく、食べ過ぎによるものは“非アルコール性脂肪性肝疾患”といわれ、重症のタイプでは肝硬変や肝がんへと進行していきます。

腹部エコー検査では脂肪肝の場合、肝臓が白っぽく見えます。

脂肪肝には、痛みなどの症状はありません。しかし、血流が悪くなり疲れや肩こり頭痛などの症状が出ることもあるそうです。また、心疾患など生活習慣病との合併も起こりやすくなります。気になる方は、採血や腹部エコー検査などを一度受けてみるのも良いかもしれません。

脂肪肝は生活習慣を改善すればほとんどの場合は良くなります。新型コロナによる生活の変化で、体重が増えた人も多いのではないでしょうか?感染対策をしっかり取りながら、運動や食事療法(特に糖質を摂りすぎないように)で肝臓についた脂肪を減らしていきましょう!

参考:サワイ健康推進課

臨床検査部 MU

下肢静脈瘤について

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生理機能検査室が引っ越しました。新しく綺麗な検査室で気持ちよくお仕事をさせていただいています。

さて、私は最近夕方になると足がパンパンにむくんでだるくなり、明け方こむら返りの激痛で目が覚める日が続くようになりました。妊娠出産の度にむくみが酷くなってきて皮膚の表面にクモの巣状の血管が浮き上がっていることには気付いていましたが、朝になればむくみは改善されていたため放置していました。毎朝こむら返りで目が覚めるのがつらいので着圧ソックスを履くようにしたところ、だるさやこむら返りから解放されました。

皆さんも私のような症状はありませんか?
足がつる・足のむくみや冷え・足が疲れやすくだるい、痛い・足の血管がボコボコしている・足の皮膚に色素沈着がある・足の皮膚に潰瘍がある・・・など。もしかしたらそれは下肢静脈瘤かもしれません。

静脈には血液が逆流しないように弁がありますが、この弁が壊れると血液が逆流して下肢にうっ滞します。
原因としては、立ち仕事・妊娠・肥満・便秘・加齢・遺伝的要素などもあり、女性に多く高齢者の7~8割の方が静脈瘤を発症していると言われています。

私は検査室でエコー検査を担当していて、このような症状のある方に足の静脈の弁の逆流があるかどうか?の検査をしています。検査をしていて気になっている事が一つあります。

エコーで足の付け根から順番に静脈を見ていくのですが、足がむくむと訴えられる女性の方で足の付け根にに食い込むような下着をつけている方が多いのです。鼠径部の締め付けの強い下着は静脈瘤を悪化させる要因になることもあるので気を付けていただきたいです。
下肢静脈瘤は放置しておくと徐々に進行し、自然に治ることはありません。日々の生活で静脈瘤を予防するには、立ちっぱなし座りっぱなしなどを少なくし、適度に運動して下肢の筋肉を鍛えることで血流を良くしてうっ滞させないことが大事です。深呼吸や足首を上下に動かすだけでも血流が良くなります。

医療用弾性ソックスも症状の改善に繋がりますので、気になる症状があるなら一度医師にご相談されてみてはいかがでしょうか?
重症化して潰瘍ができてしまってからでは治療が複雑になりますので早い段階で専門医に受診をお勧めします。

                             臨床検査部 H.O

 

低温やけどに気を付けましょう

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新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

今、倉敷平成病院は増改築工事をしています。救急外来、外来、処置室など新しくなっていますが、生理機能検査室も1月下旬から新しい生理機能検査室に引っ越しとなります!
新生理機能検査室は外来処置室のお隣に移動するので、今の生理機能検査室より外来から少し近くなります。広くなるわけではありませんが、新しい綺麗な検査室で仕事ができると思ったらとても楽しみです。

さて、みなさん年末年始はどのように過ごされましたか?
今年の年末年始はおうちでゆっくりされたという方が多いのではないでしょうか。わたしは寒い時はほとんどこたつに入っていて、一度入ってしまったらなかなか出てこられません。暖かくてついつい長時間入ってしまいますが、実はこたつは危険なものでもあるのです。今日は、今の時期に気をつけなければならない低温やけどについてご紹介します。
みなさんもカイロや電気カーペットなど、温かいものに長時間触れ続けてヒリヒリしたり赤くなってしまったりしたことはありませんか?そのヒリヒリや赤みは低温やけどを負ってしまっているかもしれません。症状が見た目にはわかりにくく、痛みを感じづらいことがあるので軽傷と勘違いしがちですが、普通のやけどとは違いじわじわと皮膚の深部までダメージを受けてしまったという場合もあるので注意が必要なのです。特に、皮膚の薄い高齢者、麻痺のある人、糖尿病などで手足の循環が悪い人など、自分で温度をコントロールできなかったり、熱さを感じにくい人は低温やけどを負いやすいと言われています。
こたつや電気カーペットはタイマーをセットするようにしましょう。
そして、自分で熱いと伝えられない高齢者や乳幼児では周りの家族が気を付けることが大切です。もし低温やけどになってしまったら、すぐに常温の水道水などの流水で冷やし、自己判断で済ませずに早めに病院を受診するようにしましょう。

気がつかないうちに重症化!「低温やけど」の対処法と注意点|ココカラクラブ より引用

臨床検査部 A.N

目には見えないものを調べる

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「人間は技術や道具を進歩させ、目に見えないものを見えるように変えて科学を発展させてきた」といったようなフレーズで羽根や鱗の構造、果てには原子や分子について説明する番組を観たことをふと思い出しました。
番組を観たのは私が高校生の時で、ちょうど兵庫県の播磨科学公園都市にあるSpring-8(物質の構造や性質を詳しく調べたりすることが出来る施設)を見学したということもあり、親に得意げに話した記憶があります。

私が働いているこの倉敷平成病院の臨床検査部では様々な装置を駆使して目には見えない体の内部の状態を知るために検査を行っています。いろいろな装置がありますが、今回は顕微鏡を使った尿沈渣検査について紹介したいと思います。
尿沈渣検査とは、尿を遠心分離器(高速で回転させ遠心力をかけて分離させる機械)にかけて沈殿した成分を顕微鏡で100~400倍に拡大して調べる検査です。調べている主な成分は以下のとおりです。

血球類(赤血球・白血球)
血尿にはいろいろな原因がありますが、赤血球は出血のあった場所によっては特徴的な形状になるため出血部位をある程度推定することが出来ます。白血球は膀胱炎などの感染症や結石症などで出現します。

上皮細胞類(扁平上皮細胞・尿路上皮細胞・尿細管上皮細胞など)
尿は腎臓で作られ尿管や膀胱、尿道を通って排泄されます。尿の通り道を構成している細胞は1種類だけではありません。細胞の種類や悪性を疑う細胞がないか調べています。

円柱類(硝子円柱・上皮円柱・顆粒円柱など)
円柱は尿細管上皮細胞から分泌されたタンパク質が固まった成分で、円柱の種類を調べることで腎臓がどのくらい障害を受けているか知ることが出来ます。

塩類・結晶類
結晶は尿の中に溶けきらなくなった成分が固まって出てきたものです。食事などの影響で出現する結晶や病気を疑うような結晶、服用している薬による結晶があります。

微生物類(細菌・真菌)
尿に細菌や真菌などの微生物がいないか調べます。本来膀胱の中にある尿の中には微生物はいません。尿の中に細菌や真菌、白血球が見つかる場合は感染を疑います。

医学の祖と呼ばれるヒポクラテスの時代には尿の色やにおいを調べていましたが、その頃から技術も道具も進歩して、紹介したように「見える」ようになってきました。私たち臨床検査技師の仕事も従来の検査に加え、検体採取や嗅覚検査、味覚検査など拡大しています。
私たちの仕事がもっと皆様から「見える」ように頑張っていきたいと思います。

臨床検査部NK

健康を保つために重要なビタミンについて

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

みなさん、『ビタミン』と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?
ビタミンにはさまざまな種類があるのですが、なんとなく体の機能を維持するために必要な栄養素という認識があるのではないでしょうか。最近元気が出ない…、足腰が弱くなってきた…、など体の不調を感じることがあれば、もしかしたらビタミン不足かもしれません。そこで今回は、当院でよくオーダーされているものをいくつかご紹介します。

ビタミンB12は、赤血球の形成と成熟、および細胞の遺伝物質であるDNAの合成、また、正常な神経機能に必要な物質です。肉や卵、牛乳、アサリ、カキ、マグロなどに豊富に含まれており、欠乏すると貧血、筋力低下、疲労などが生じ、重度になると神経が損傷され歩行困難や認知症のような症状が現れることもあります。

葉酸はビタミンB群の1つで、ビタミンB12と同じく赤血球の成熟やDNAの合成、特に胎児の神経系の正常な発達に必要とされています。生の葉野菜や柑橘類、レバーなどの内臓肉に多く含まれ、欠乏すると貧血になり、重度になると舌が赤くなって痛み、下痢、味覚の低下、抑うつ、認知症が生じることもあります。

ビタミンDは骨粗しょう症(骨が弱くなり骨折しやすくなる病気)をはじめとする代謝性骨疾患の判定に有用です。サケやキノコ類といった食事からの摂取に加え、紫外線を浴びることによって産生されます。現代人においてビタミンDの不足・欠乏は決して稀なことではなく、ある調査では50歳以上の女性の約半数がビタミンD欠乏状態であったと報告されています。また、ビタミンではありませんが、骨を作る骨芽細胞の活性度を反映する指標である骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)と同時に検査されることが多いです。

このように、いずれも心と体の健康を保つために重要な役割を果たしています。
血液検査で調べることができるので、気になった方は一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

引用
MSDマニュアル家庭版
ベックマン・コールター株式会社HPより

臨床検査部 K・A

学会のWeb開催に参加

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新型コロナウイルス感染流行が拡大し、あらゆるイベントが中止されたり、延期されたりしたと思います。延期されたものの1つが日本医学検査学会です。はじめ、4月に仙台市で開催予定でしたが、延期により、千葉県に変更されました。最初から遠方なので出席は考えていませんでしたが、新たにWeb開催というものが加わり、心が変わりました。

これなら実際に行くことなく学会に参加できるぞ!と申し込み。先日、Web開催というものに参加したわけです。自宅で視聴しているので、コーヒー飲みながら、合間で洗濯。ということもできます。

しかも、Web開催だと会場移動時間もないし、聞き逃しもなく、このスタイル、個人的には気に入っています。もちろん実際に行った方がその場の雰囲気などが味わえていいのですが、コロナのことも心配だし、私のように遠方で、交通費のことや仕事のこと、家族のことなど考えずに学会に参加できるというのは本当にありがたいことです。

今までも日本医学検査学会は遠くてなかなか参加できなかっただけに、10月の休日を利用しながらゆっくりと学会を満喫したいなと思っています。そしてその知識が今後の検査業務に活かすことができたら幸いです。

最近、コロナの影響で講習会等がWeb開催に変わりつつあります。家にいて受講できるスタイルは、今までなら受講したいけどちょっと遠いし、日程があわなくて参加できないとう問題を解決してくれます。しかも自宅で子供にご飯を食べさせながら視聴するというのもありかもしれません。このスタイル、コロナが収束しても続いたらいいなと個人的な希望です。

旅行においても家にいて現地のガイドさんに案内されながら、海外旅行を楽しむといった旅行会社の企画もあります。家にいながら海外旅行をしたつもり。今のコロナ禍では新しい生活スタイルです。こんな楽しみ方もしてみたいなと思う一方、自分の足で山を歩き、深呼吸。先日、久々に大好きな山歩きをしてコロナから解放された瞬間でした。これは現地に行かないと味わえない醍醐味です。

早くコロナが収まりますように。心から願うばかりです。

 

検査技師NY

新型コロナウイルス感染症の検査法について

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もう何か月も新型コロナウイルス感染症のニュースを見ない日はありません。感染しているかを調べる検査としては、テレビなどでもよく聞くPCR検査がありますが、他にどんな検査があるのか紹介したいと思います。

新型コロナウイルスの感染を調べる代表的な方法として、「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」があります。

PCR検査:新型コロナウイルスに固有の遺伝子を見つける検査です。検体には、鼻や喉の粘液、唾液などを用います。PCR法は、遺伝子本体であるDNAを増幅して検出します。遺伝情報の伝達などを担うRNAは検出できません。コロナウイルスはRNAウイルスですので、検体からRNAを抽出しDNAへ変換して検査していきます。ウイルスの遺伝子がわずかでも含まれていれば検出できる、非常に感度の高い方法です。しかし、専用の機器や熟練した技術が必要な上、結果が出るまで数時間を要するなど簡便な検査とはいえません。
また、遺伝子検査には「LAMP法」というのもあります。わが国で開発された検査法で、LAMP法はPCR法と比較して、DNAの合成や合成されたDNAの確認方法が異なり、検査結果が得られる時間が2~3時間短縮されます。PCR法の方がLAMP法より若干感度が良いと言われています。

抗原検査:PCR検査と同様に、鼻や喉の奥から拭い取った粘液を検体とし、ウイルスのタンパク質である抗原を検出するキットです。唾液の場合は、現状では有用性の検証中です。簡便な検査キットが最近開発され、専用の機器を必要とせず、かつ30分程度の短時間で判定できます。しかし、陽性結果が得られるためにはPCR検査と比べ多量のウイルスが必要となります。抗原検査が陽性なら新型コロナウイルス感染症と診断できますが、陰性であっても感染症を否定できないことになります。

抗体検査:過去に感染したかどうかが分かる検査です。新型コロナウイルスに感染していても症状が出なかったり、病院に行かないまま回復した場合を含めます。
抗体とは、体の中に侵入してきた病原体などに対応するために、免疫反応によって生体内で作られるタンパク質です。これらの抗体は発症後数週間後くらいから検出できると言われています。抗体検査が陽性であれば、過去に「感染した」と言えますが、発症早期であれば陰性であっても「感染していない」とは言い切れません。抗体がまだできていない場合があるからです。

新型コロナウイルス感染症がいつ終息するかは分からない状況ですが、自分たちにできること「手指衛生(手洗いやアルコール消毒)」「マスク着用」「3密を避ける」をしっかり実施していきましょう。

参考文献:山陽新聞 川崎学園集中講義 第3回「新型コロナウイルスの検査法」

臨床検査技師 R.A

毛虫と毛虫皮膚炎

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やっと梅雨が明けたと思ったらとても暑い日が続いています。検体検査室は検査機器が多いため、冷房を強めに使用していて少し寒いくらいですが、外に出るとこの暑さです。温度差がかなりあるため体がついて行きません。水分補給をしっかり行って熱中症には注意したいものです。

さて先月のことですが、自宅の庭の植木に黄色い毛虫を発見しました。去年も発生したので「またか…」と思いましたが、気付くのが早かったため、まだそんなに葉を食べられていなくてよかったです。すぐに駆除してもらい被害が広がることなく済みました。

そこで「毛虫」と「毛虫皮膚炎」について調べてみました。
毛虫は、チョウやガの幼虫のうち、毛や棘が生えているもので、特にガ類の幼虫で毛が多いものを指す場合が多いですが、少々毛の生えたイモムシと明確な区別はないようです。
毛虫には毒があると思っていましたが、実際に有毒なのはごく一部で、日本のガではドクガ科、カレハガ科、ヒトリガ科、イラガ科、マダラガ科の一部の幼虫に限られるそうです。しかし、有毒種のいくつかはごく普通種でもあるようです。
毛虫の毒毛には毒針毛と毒棘の2種類のタイプがあり、ドクガ科、カレハガ科、ヒトリガ科の一部の幼虫が持つ毒毛は毒針毛タイプです。ドクガ科の主要な有毒種はドクガ、チャドクガ、モンシロドクガなどで、これらは終齢幼虫(蛹になる直前の幼虫)の毒針毛を繭・成虫・卵塊・1齢幼虫と成長することで一生涯毒針毛を持っていることになり毒性も強いので注意が必要です。カレハガ科はドクガ科とは異なり成虫には毒針毛は付着しないそうです。カレハガ科で毒性が強く危険なものは、マツカレハ、クヌギカレハ、タケカレハなどです。ヒトリガ科は毒針毛を持つ種類はわずかで、ヤネホソバ、ツマキホソバなどが該当するそうです。

一方、イラガ科、マダラガ科の一部の幼虫が持つ毒毛は毒棘タイプで、短い棘の付け根に毒液の入った袋があり、注射器のように刺して毒液を外敵の皮膚に注入します。刺されると電気が走るような非常に強い痛みがあるそうです。
毛虫を予防する対策としては、卵の駆除、農薬等による予防、庭木の剪定があります。
毛虫皮膚炎は、毛虫の毒に触れることで引き起こされる皮膚炎のことを指し、毛虫の活動が活発になる4月から10月頃の発症が多いようです。チャドクガの被害が最も多く、症状は毛虫の毛に触れた皮膚が赤くなり、かゆみを伴うようになります。また、直接毛虫に触れて生じるだけでなく、毛虫の毛が服に付着し、それに触れることや、風にのった毛に触れることで症状が現れることもあります。
治療は、毛が皮膚に残っている場合には、テープなどを使用して毛を取り除きます。ステロイドの外用薬を塗布してかゆみや炎症に対しての対応を行い、かゆみが強い場合には、さらに抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬の使用を検討するようです。掻いてしまうとひどくなってしまうので、毛虫皮膚炎かもしれないと感じたら、早く皮膚科を受診することをお勧めします。

毛虫との接触が考えられる屋外活動を行う場合は、できるだけ肌の露出を少なくするなど対策をとることが有効です。

参照:メディカルノート、Wikipedia

臨床検査部 Tama