カテゴリー別アーカイブ: 臨床検査部

コロナ禍の中の臨床検査部

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2022年 皆様のご健康をお祈りします。
年明け約2週間の新型コロナウイルス陽性者数は爆発しました。
しかし、陽性者数に惑わされず、もしインフルエンザ並みの致死率になったとしたなら(ワクチンの効果であったとしても)、5類感染症扱いが妥当という意見があります。
日本ではコロナがパンデミックになる以前は、インフルエンザは60-100人に1人の罹患率、~200万人/年もの罹患数がありました。

仮にそうなったとしても、身に着けた感染対策は年中怠らないことは言うまでもありません!よもやワクチンを3回接種するとは思ってもいませんでした。高い獲得免疫がある一方で持続力がなく、コロナは季節性が薄いことが要因だと思います。
日本のワクチン開発に時間がかかるのは様々な背景がありますので、期待し過ぎずに静観しておこうと思います。経口薬などコロナに特化した超有効治療薬もやはりまだまだ時間がかかりそうです。

日本は陽性者や重症者を比較的良く抑え込んでいますが、桁違いに多い国があります。国民性や対策、人種の違いによる影響が大きいのでしょう。腸内細菌の関連性も報告されています。
何れにしても、ウイルスも変異を繰り返しながら生きながらえていく訳ですから、この世から根絶させることはまず困難(唯一、天然痘は撲滅したとされている)だと思います。
私たち人類も進化して今の姿に落ち着いており、世界には各々の地形や気候に順応した異なる人種が存在しています。これも変異の一種なのです。

さて、当院臨床検査部では積極的に関連学会への発表形式等による参加を続けています。コロナ禍による未開催があり、暫く停滞気味でしたが復活しています。
我々は研究のための研究に終わらないことをコンセプトにしています。すなわち、遠い未来のための基礎的研究ではなく、既に臨床上実用化されているものを使用して業務へ応用化し、また知見を増やすことを目的とした臨床的研究です。

2021年度の中国四国支部医学検査学会はオンデマンド開催になりましたが、4演題も提出しています。
一つ目は赤血球や白血球や血小板などの数を調べる血液検査に使用する抗凝固剤によって、血小板数が見かけ上減少してしまう場合がある時の解決方法、二つ目は心筋梗塞など虚血性心臓疾患の補助的診断マーカーである心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)と心筋トロポニンの検査の定量法が定性法よりも優れていること、三つ目は敗血症(感染症によって全身の重要な臓器が重い障害を受けてショック状態になる)の補助的診断マーカーであるプレセプシンの当院独自の基準値を検討、四つ目はこのプレセプシンの検査材料(検体)が汎用性のあるものに変更出来ないかというものです。
全て良い結果が得られ、補助診断の有益な情報となっていますし、また、応用化もされています。スタッフの頑張りが成果に繋がっています。
次に考えているのは新型コロナウイルス検査に関することです。現在使用している方法が、判定までに掛かる時間を半分にできないかという大胆な試みです。実効性を得るためには時間が必要ですが、実現したいと考えています。

このように臨床検査部は当院の他部門にも引けを取らず、患者さんの利益に繋がるように『日々是努力』をしていますのでご期待とご応援をお願いします。

臨床検査部 光源頭

二日酔いについて

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12月になり、例年通りとはいかないものの忘年会のシーズンになりました。

年末年始は親戚の集まりなどお酒を飲む機会が増えると思います。そこで気になるのが、お酒を飲みすぎた翌日に起こる、吐き気や胸やけ、頭痛などの不快な症状「二日酔い」です。お酒を飲むことで体内に入ったアルコールはからだ中を巡りますが、脳に到達するとアルコールが脳の神経細胞を麻痺させ「酔った」状態になります。

その後肝臓で分解されていく過程で産生される有害物質が過剰に蓄積することで二日酔いが生じるとの説があります。過度なアルコールは、血圧や尿量、血糖値などを調節するホルモン分泌に影響を与え、脱水や低血糖状態になり二日酔いの症状を悪化させることもあります。

時間が経過すると自然に改善していきますが、治療が必要になることもあります。

そこで、お酒を飲むときの予防策です。空腹時にお酒を飲むと、胃の粘膜が荒れやすいです。食べ物を口に運ぶことで飲み方がゆっくりになり、アルコールの吸収も緩やかになります。次の食品と一緒に食べるとよいとされています。
・胃の粘膜を保護する作用:牛乳やチーズなどの脂肪を含む食品
・アルコールを分解する力を高める作用:枝豆や豆腐、肉、魚などのタンパク質
・アルコールで失われがちなビタミン・ミネラル類を補う作用:野菜      等

お酒を飲んだ後は、アルコールによる利尿作用によって脱水症状を起こしやすくなるため、水分補給を心がけましょう。体内のアルコール成分を尿として早く体外に出すためにも有効です。お酒を飲んだ後は以下のものを積極的に摂るとよいとされています。
・アルコールの分解や代謝を促す作用:果糖やビタミン類(果物、100%果汁ジュース)
・胃の粘膜を修復する作用:緑茶や柿に多く含まれているタンニン
・頭痛やだるさをやわらげる作用:カフェイン(二日酔いの胃には刺激が強いので、ミルクを入れて飲むといい)
・肝機能を改善する手助けをする作用とされる:ウコン       等

二日酔いの症状がつらいときは、症状に応じた薬を上手に使ってつらさを和らげることも可能です。胃痛や胃の膨満感、吐き気、食欲不振などには、傷ついた胃の粘膜を保護する作用のある胃腸薬を選んでください。胃の粘膜が荒れ、悪化すると急性胃炎や胃潰瘍を起こすこともあるので、吐き気や胃痛、おう吐など胃の症状がひどく、なかなか治まらない場合は病院を受診しましょう。水分と睡眠がとれ、安静によって症状が改善されるなら、自宅で様子を見ましょう。

また、よく「二日酔いには迎え酒」といわれますが、もう一度アルコールを体内に入れ、酔うことで感覚が麻痺し、楽になった気がするだけです。迎え酒を繰り返すことから、アルコール依存症につながる例も多いとされています。絶対にやめましょう。
二日酔いの一番の原因は「飲みすぎ」です。お酒は「適量」を守って飲めば、悪酔いや二日酔いを招くことはありません。まずは自分の適量を知り、飲みすぎないことが最大の予防となります。

予防策や飲み方ひとつで次の日の体調はかわります。上手にお酒と付き合って、楽しい年末年始にしましょう!

臨床検査部 M.Y.

参考:お酒と健康 適正飲酒の10か条 アルコール健康医学協会
メディカルノート 二日酔い 横田 修一先生監修
くすりと健康の情報局 二日酔いの症状・原因 第一三共ヘルスケア

睡眠と生活習慣病との深い関係

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11月に入り、急に気温が下がり寒くなってきましたね。
今回は、睡眠と生活習慣病との深い関係についてお話ししたいと思います。
私たちが生きていくうえで、睡眠はなくてはならないものですが現代人の生活は夜型化しており、日本人の平均睡眠時間は50年前に比べると約1時間も短くなっていると言われています。

最近の研究では、睡眠不足が生活習慣病を引き起こすこともわかってきました。
まず遅くまで起きている人や、眠りの浅い人などは、常に緊張状態である交感神経が優位となって血圧が高い状態が続くため、高血圧を招くと考えられています。
次に睡眠不足は血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きを悪くするため、糖尿病の発症リスクを高めることがわかっています。
さらに、睡眠不足になると食欲を調整するホルモンに影響して食欲を増大させるため、肥満を招くと考えられています。

快眠を誘う生活習慣のポイント
①1日3食の食事を規則正しくとる
②寝る時間と起きる時間を毎日一定にする
③朝、カーテンを開けて自然光を浴びる
④就寝3時間ぐらい前に適度な運動を習慣にする
⑤入浴は就寝する2~3時間前までに行う
⑥カフェインが含まれる飲食物を避ける
⑦就寝前にPCやスマートフォンなどの画面を長時間見ない
などを心がけるようにするといいそうです。
生活習慣病を防ぐためにも快眠を得るためにも、良い生活習慣を身につけましょう!“

参考文献
・眠りの質を高めよう! 全国健康保険協会
・快眠と生活習慣 e-ヘルスネット(厚生労働省)

臨床検査部  Y・K

子供の手術を通して

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少し肌寒くなってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私事にはなりますが、数ヶ月前、我が家では子供が鼻の骨を折るという事故が起き、当院の形成外科で診てもらった結果、手術をすることになりました。手術はもちろんのこと、術前の採血や検査、入院生活等々、小学1年生には初めての経験ばかりで、とても不安そうにしていましたが、先生をはじめ職員の方々の優しく丁寧な対応のおかげで無事に終えることができました。

手術後、自分の手に点滴のルートが繋がっているのが怖かったらしく、「いたいー、いやだー」と泣いていましたが、それを見た病棟の看護師さんが包帯を手に巻き、見えないようにしてくれました。見えなくなったことで恐怖感がなくなったようで、その後は特にいたいと泣くこともなく過ごすことができました。

ほんのちょっとしたことですが、気持ちに寄り添ってくれたことで子供も私も安心でき、本当に感謝の思いでいっぱいです。私も平成病院の職員として、患者さんの気持ちに寄り添った対応を心がけていきたいと思います。

検査 H.K

医療に貢献する「生きている化石」

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突然ですが 生き物の血液の色は何色だと思いますか? 

少し考えてみてください。

話は変わり、笠岡市にカブトガニ博物館がありますね。カブトガニは名前とイメージから甲殻類かと思われがちですが、実はクモやサソリなどと同じ鋏角類に分類されます。鋏角類からさらにカブトガニ科に属しています。地質時代から存在し、現在も生存しているため「生きている化石」とも呼ばれています。

そんなカブトガニですが実はカブトガニの血液が臨床の場に貢献しています。内毒素(エンドトキシン)というものをご存じでしょうか。内毒素は細菌(グラム陰性)の細胞壁を構成するリポ多糖体(LPS)であり、リポ多糖体が菌の死滅後に菌体外に出て毒素活性を示します。
人間にも特に腸内細菌科によって敗血症や発熱など影響を及ぼし、最悪の場合、致死的な病態も引き起こしてしまいます。そんな内毒素を検知するためにカブトガニの血液が役に立っているのです。内毒素はカブトガニの血液から得られる抽出成分と反応してゲル状に固まります。その特性を利用し、臨床での試薬に使われています。他にも真菌感染症の診断に有用なβ-D-グルカンの検出にも役に立っています。

人間の血液は誰しもが赤色だとわかると思います。これは血球成分の「ヘモグロビン」によるものです。ヘモグロビンが酸素を全身へ運ぶ役割を担っており、ヘモグロビンの色は赤色です。
もう少し詳しい話になると酸素を多く含むオキシヘモグロビンは鮮赤色で、酸素が少ないデオキシヘモグロビンは暗赤色になります。採血に携わる時、患者さんに「血が黒っぽいけど大丈夫なんかね?」とよく言われます。しかし、これはごく普通のことで血液が黒っぽく見えるのは酸素を全身組織へ運んだ後の血液を多く含む静脈から採血するためです。

血液はさらに液体成分(血漿)と血球成分に分けることができ、血漿はおおよそ黄色を呈します。一方、カブトガニやイカ・タコなど節足動物や軟体動物ではヘモグロビンがありません。ではなにが酸素を運ぶ役割を担っているのかというと、「ヘモシアニン」が担っています。つまりヘモグロビンではないので赤色の血液ではありません。ヘモシアニンは本来、無色透明で核には銅が含まれています。この銅が着色に関係しており、酸素と結びつくと青色を呈します。
 ちなみにカブトガニでは体内を流れている時は透明がかった乳白色をしています。なので、カブトガニから採血した場合、採取時は乳白色をしていて、時間が経過すると青色へと変化していきます。

最初の「生き物の血液の色は何色かどうか」ですが、実は複数の答えが正解です。

今回はカブトガニの血液でしたが今後、別の生き物の血液が医療の貢献につながる発見がまだまだあるかもしれません。楽しみです。

 

参考
臨床検査学講座 微生物学/臨床微生物学・免疫検査学
笠岡市ホームページ 笠岡市立カブトガニ博物館

臨床検査部 Y.M

モンキーBウイルスって何?

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新型コロナウイルスの『第5波』の勢いが止まりませんね。毎日暑い日が続き、マスク生活から抜け出したい気持ちもありますが、人が集まる場所に行くときや人と会話をするときなどはマスク着用を徹底しましょう。人がいない場所ではマスクを外し、水分をしっかり摂り熱中症にも気をつけましょう。

さて、みなさんはモンキーBウイルスをご存じでしょうか? Bウイルスはサルが保有するヘルペスウイルスのことです。感染してしまうと抗ウイルス治療がある現代でも死に至る可能性が高いウイルスですが、サルと接触するというレアな感染経路なので、感染をする状況自体が難しいウイルスでもあります。今年5月に中国でモンキーBウイルスによる死亡例がありました。死亡した人は獣医師で、取り扱う動物の中にサルが含まれていて、そのサルから感染したそうです。症状としては嘔吐やむかつき、熱などがあったそうです。しかし過去には人から人への感染も確認されています。

今回の新型コロナウイルスのように、いつどのように感染して拡大していくか分からないので、いくら可愛くてもむやみに野生動物に触れたり、近づいたりすることは危険だということは覚えておきましょう。

参照 【Bウイルス病 人と動物の共通感染症ガイダンス】
【中国で「モンキーBウイルス」の死者が報告される】

臨床検査部 H.M

マスク熱中症に気を付けてください

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コロナウイルスの影響で制限がある日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。私は、入職して3年目となりました。時間の流れがとても早く感じています。

さて、7月になりこれから熱中症への注意が必要な季節となっていきます。
マスクの着用が日常になった今、それが熱中症のリスクとなります。
人は体から熱を放散するための様々な仕組みを持っています。汗をかくこと、皮膚の血流を上げること、皮膚の血管を拡張するなどです。そしてもう一つ「呼吸」があります。マスクをすると、通常に比べ呼吸が妨げられ、体熱放散しにくくなります。特に子どもはその影響が見られるので要注意です。マスクをしていると口の渇きを感じにくくなり、水分補給が不十分になり、気づかないうちに脱水が進む危険性もあります。さらに、子どもは大人と違って口呼吸をすることが多く、呼吸数も多いため、マスクで口呼吸しにくい状態は熱中症を招く可能性があります。
熱中症を予防するための方法は、こまめな水分補給や暑さを避けるようにすることです。
喉が渇いていなくても1日1.2L、1時間おきにコップ1杯程度飲み、日陰へ移動し適宜エアコンを使用することが必要です。また、屋外で人と2m以上(十分な距離)離れている時はマスクを外すように推奨されています。

みなさんも熱中症に気を付けましょう。

・第一三共ヘルスケア
くすりと健康の情報局 コロナ下のマスク生活のリスクを正しく知って熱中症を予防しましょう
・環境省・厚生労働省
熱中症予防×コロナ感染防止で「新しい生活様式」を健康に!   から引用

臨床検査部 Y F

身近なカビにご用心

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まだ5月のような気持ちでいたらいつの間にか梅雨入りし6月になっていました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
梅雨など湿気の多い時期に現れる厄介者といえばカビです。カビは食品を腐敗させるだけでなく、病気を引き起こすこともあります。最近では、こういったカビによる病気が増えているといわれています。
カビは専門用語では真菌(または菌類)といいます。そのうちの一種「アスペルギルス・フミガーツス」は病気を引き起こすため、気をつけなければいけない真菌です。
土の中や空気中など私たちの周りに広く生息しているのですが、免疫力が低下した状態で空中に漂っている胞子を吸い込んで感染してしまうと、肺や気管支に異常をきたす肺アスペルギルス症などになる恐れがあります。主な症状はせきや喀痰、胸痛、呼吸困難などです。また、肺の病気だけでなく、副鼻腔炎や外耳道炎を起こしたりする場合もあるとされています。
高齢化が進む現在、加齢や治療により免疫力が低下している人が増えており、このアスペルギルス・フミガーツスによる病気にかかる人も増加しています。ただし、治療法もかなり確立されているため、早めの治療を行えばほとんどの場合、治ります。
この真菌は、エアコン内部で繁殖するケースがあることが報告されていますので、室内に胞子をまき散らさないように、エアコンのカビ対策を欠かさないようにしましょう。
カビ対策と言われると除湿機能を思い浮かべがちですが、エアコン本体の湿度を下げるには暖房または送風機能がよいとされています。冷房の使用後30分~1時間程度暖房または送風機能を使うことでエアコン内部の湿度を下げる、窓を開けたり換気扇を回したりして室内の換気をして部屋の汚れを外へ追い出す・部屋の温度を下げるなど、ちょっとした工夫でカビを防ぐことが出来ます。
たかがカビといえど油断は出来ませんね。今日は帰ったら部屋の換気をしようと思います。

カビが引き起こす怖い病気 | オムロン ヘルスケア
真菌が体の深部に入り込む 深在性真菌症は要注意
エアコンをよく使う夏場、カビ対策はどうしたらいいの?原因、対策方法まとめ より引用

臨床検査部 A.M

ワクチン接種後に献血はできる?

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我々臨床検査部は、日々の業務の中で血液製剤を扱っています。一般的に輸血と呼ばれるものですが、これは元をたどると献血によって賄われています。
そんな血液製剤ですが、実はコロナ禍の影響を受けています。緊急事態宣言発出などで、外出を自粛する人が増え、献血者数が減少しているようなのです。
私も業務で血液製剤を扱う身として、このピンチに貢献したいと思い、同僚と献血に行ってみようかという話になりましたが、ついこの前まで日本赤十字社から“新型コロナウイルスのワクチンを接種された方の献血の受入基準につきましては、国において検討中の段階であることから、基準が示されるまでの間、献血はご遠慮いただくこととしております”との掲示が出ていました。倉敷平成病院でも医療従事者向けの新型コロナワクチン先行接種が始まっていたので、せっかく献血に行こうとしていたのに行けないな~と落ち込んでいました。
しかし、2021年4月28日に日本赤十字社から新たに“mRNAワクチンを含むRNAワクチン接種後、48時間は献血不可。1回目、2回目の接種ともに、この期間を経過すれば献血可能。(※なおこの基準は2021年5月14日から適用)”との掲示があり、一定の基準をクリアすれば、新型コロナワクチン接種後でも献血できるようになりました。
これから一般向けのワクチン接種も始まり、広く接種されるようになります。そんな中で、献血に行きたいけど、どうしようと思われている方の参考になればと思います。
ちなみに、献血は事前予約することができ、密を避けて行うことも可能です。感染対策を万全にして、私も献血に行ってみようと思います。

参考:輸血用の血液がピンチ! 新型コロナで献血会中止相次ぎ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201226/k10012786421000.html

【令和3年5月14日から適用開始】
新型コロナウイルスワクチンを接種された方の献血受入れについて
https://www.jrc.or.jp/donation/blood/news/2021/0428_017376.html

臨床検査部 C.Y

アレルギー性結膜炎にご用心

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4月になり新年度が始まりましたね。入職して5年目に突入しましたが、時の流れの早さに驚いています。気持ち新たに新年度も頑張っていきます。

春になると花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか?私自身も春になると目のかゆみが現れ、普段はコンタクトレンズを装用しているので余計につらい季節です。花粉症のようなアレルギー性疾患にかかるとくしゃみや鼻水などの症状のほか、目にもかゆみや充血が現れることがよくあり、これをアレルギー性結膜炎と呼びます。

アレルギー性結膜炎にはある季節に限定して症状がみられる季節性のものと、季節に関係なく症状がみられる通年性の2タイプがあります。

季節性アレルギー性結膜炎は1年の特定の時期だけに、ある決まった植物の花粉が原因となって発症します。2月~5月に多く飛散するスギやヒノキの花粉が主な原因です。日常生活での注意点としては、花粉情報を有効に活用し、マスクや花粉防止用のメガネなどでしっかり防御して出かけましょう。衣類は花粉が付着しにくいナイロン地のコートなどがおすすめです。またコンタクトレンズを使用していると花粉症の症状がひどくなる傾向がありますが、その原因はレンズの汚れにあります。涙液の中にはたんぱく質や脂質が含まれており、それらは吸着性があるため空気中に浮遊している花粉や微生物を目に引き付けやすくしてしまいます。さらに花粉症によりかゆみで目をこすってしまうことにより、目の粘膜が傷つき、細菌による感染症を引き起こしてしまう危険性が高まります。よって花粉が飛ぶ季節にはいつも以上にレンズを清潔に保つことが大切です。

通年性アレルギー性結膜炎は1年を通して、ほこりなどの中にあるハウスダストやダニが主な要因となって発症します。ペットの抜け毛やフケ、カビも原因となる場合があります。日常生活での注意点としてはアレルギーの原因を寄せ付けないようにするための室内環境の整備が重要です。また免疫機能が低下すると症状を増悪させる恐れがあるため、生活習慣を見直し、ストレスをためない生活をするなどして免疫機能を正常に維持するように努めることが大切です。

参考:アルコン 花粉症とコンタクトレンズQ&A

臨床検査部 NK