カテゴリー別アーカイブ: 臨床検査部

室内での熱中症に注意!

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蒸し暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
8月に入り、毎日のように熱中症のニュースを見かけるようになりました。
熱中症といえば屋外の暑い場所が思い浮かびますが、実は自宅での発症が1番多いと言われています。

室内で過ごしているから大丈夫と思っていても、温度の変化に気が付いていないだけで、部屋の温度がぐんぐん上がっていた、なんてことがあります。特に、高齢者の方やお子さんがいらっしゃるご家庭では注意が必要です。

熱中症にならないために、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?

○ 室内でも熱気や湿気がこもりやすいところは要注意
お風呂場や洗面所、家の2階は熱や湿気がこもりやすくなっています。窓を開けたり、冷房を利用するなどしましょう。冷房の設定温度は24~28℃を目安に、28℃でも暑く感じる場合は少し低めに設定してみてください。また、湿度が高いと汗の乾きが遅くなり、からだの熱を逃がしにくくなってしまうので、部屋の湿度にも注意が必要です。

○ 入浴後の脱水に注意
入浴により約800mLの水分が失われてしまいます。(41℃で15分入浴した場合)
入浴前後の水分補給が大切です。

○ 気づかないうちに脱水になっていることも
発汗以外に皮膚や呼吸を通して水分を失っています。これは不感蒸泄といい、汗をかいていなくても水分補給が必要です!冷房の効いた室内ではのどの乾きを感じにくくなるかもしれませんが、こまめな水分補給を心がけましょう。(不感蒸泄:体重60kgの人が平熱、室温28℃の環境で1日に900mL)

○ お茶やビールでは水分補給になりません!
お茶やアルコールには利尿作用があり、からだの中の水分を外に出してしまうため水分補給には適していません。また、汗にはナトリウムなどのイオンも含まれているため、水だけでなくイオン飲料や経口補水液を取り入れることも大切です。

体調が悪いときは無理せずしっかり休むということも熱中症予防のひとつです!
今年の夏はコロナによる行動制限が緩和され、久しぶりに家族に会いに行ったり、数年ぶりの花火大会など楽しいことが待っている方も多いのではないでしょうか。コロナ対策も大切ですが、しっかり熱中症対策もして楽しく夏を乗り越えましょう!

参考:大塚製薬 熱中症からカラダを守ろう

臨床検査部 MU

ご存じですか?エクオール

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こんにちは。

みなさん、「エクオール」という言葉を聞いたことがありますか?

エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌の力で変換されて生まれる成分で、大豆イソフラボンのままよりも女性ホルモン(エストロゲン)に構造が近く、体内で女性ホルモンに似た働きをより強くすることが近年の研究でわかってきました。


エクオールは肌の不調改善、更年期症状の改善、骨密度の低下を抑えるだけでなく、メタボ改善にも働くことが報告されています。また、女性のための成分と思われがちですが、最近の研究報告から、男性特有の悩みである前立腺肥大やAGAの予防にも効果が期待されています。

しかし、エクオールをつくる腸内細菌を持っている人は、日本人でおよそ2人に1人。その中でも十分な量をつくれている人は4人に1人しかいません。エクオールをつくるために必要な条件などは明らかになっていませんが、食習慣や生活習慣も大きく影響しているようです。

エクオールが体内でつくれているか、尿検査で測定することができます。
エクオールは腸内のエクオール産生菌によってつくり出され、体内で作用した後、数日中に尿と共に体外へ排出されます。そのため、尿中のエクオール量を調べることで、体内でどれくらいエクオールがつくられていたかを判断することができます。
当院でも、「ソイチェック」という検査キットで簡単に調べることができるようになりました。

腸内でどのくらいのエクオールがつくれているか、詳細な数値と全国平均の中でのレベルがわかります。
尿検査の結果、エクオールを体内でつくれないとわかっても、エクオール含有のサプリメントを活用すれば、エクオールを直接摂取することができます。

また、豆腐や豆乳などの大豆製品を積極的に食べることで、体内のエクオールを増やすことができます。

 

エクエル 公式サイトより引用

臨床検査部 A.Y

手洗いについて

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梅雨の時期なりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私は今年度、感染制御チーム(ICT)の担当になりました。職場の環境や嘔吐物処理方法、手指衛生方法の定期的な確認を行い感染対策をしています。
新型コロナウイルスの流行が続いていて、こまめな手洗いやアルコール消毒が習慣になったという人も多いと思います。今一度、正しい手洗いについて再度確認してみてはいかがでしょうか。

~正しい手の洗い方~
①流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。

②手の甲をのばすようにこすります。

③指先・爪の間を念入りにこすります

④指の間を洗います。

⑤親指と手のひらをねじり洗いします。

⑥手首も忘れずに洗います

*正しい手洗いには30秒必要と言われています。実際に時間を計ってみましょう。
*親指や指先、指の間は汚れが残りやすいと言われています。
*洗い終わったら十分に水で流し、清潔なタオルやペーパタオルでよく拭き取って乾かします。

私の働いている検査部では流しの前にポスター貼っています。手順の通りに洗うことで洗い忘れを防ぐことができます。正しい手洗いで感染症対策をしましょう!

参考:厚生労働省ホームページ 新型コロナウイルス感染症の予防

臨床検査部 K.N

食事による血液データの異常について

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みなさん、こんにちは。今回は血液検査と食事についてお話したいと思います。
血液検査(採血)は空腹時が望ましいということはご存知の方が多いと思います。それは、主に食事による血液への影響を避けるためです。食事の影響で、上昇する項目として血糖、インスリン、中性脂肪、低下する項目として無機リンなどがあります。これらは、食事の内容や食後の時間、また個人差もあり、影響を受ける度合いは一律ではありませんが、少なくとも食後2~4時間経過後の採血が望ましいと言われています。

ですが、特に空腹時で採血するようにとの指示がない場合、検査に携わる者として一つ注意していただきたいことがあります。それは、偏った食事内容です。突然ですが、メディアで「○○に効く!」などのうたい文句で、とある食べ物がクローズアップされているのを見たことはありませんか?そういう風に取り上げられていると、「明日から買って食べてみようかな??」という気持ちになる方もいらっしゃると思います。
例えば、「高血圧に効く!」としてトマトやアボカド、バナナなどの野菜や果物が取り上げられていたとします。たしかに、それらに豊富に含まれるカリウムによって、血圧を下げる効果があります。では、それらをたくさん摂取して、あまり時間をあけずに、血液検査でカリウムを検査したらどうなるでしょう?個人差はありますが、食事で大量に摂取したことにより、血液中のカリウムが一時的に上昇し、異常値になってしまう可能性があるのです。一例では、朝食に野菜ジュースやバナナ、アボカドなどカリウムを2000mg(おおよそ一日量カリウム)摂取した後、採血を行い、血清カリウム値が6.0mmol/L(基準値3.6~4.8 mmol/L)の異常高値となった例が報告されています。
この症例では、約2時間後に再採血を行うと、4.8 mmol/Lで正常範囲となり、食事による一過性の高カリウム血症が最も考えられたとのことでした。カリウムは、細胞の機能や神経、筋肉の興奮性、特に心筋に大きな役割を果たしており、高カリウム血症は不整脈を起こす可能性がある危険な状態です。

 つまり、「体にいいから」とそればかり食べるような偏った食事によって、思わぬところで血液検査のデータ異常を引き起こし、誤った治療が行われかねません。もちろん、私たちは日々患者さんの血液データを見るときに「これは病態による異常値か」「検体に問題はないか」「機械に問題はないか」など色々なことを考えながら結果をお返ししています。
ですが、患者さんが「何を食べてきたか」までは聞き取りを行わない限り把握できません。そのため、ご自身でも受診(採血)の予定がある直前は、食事内容も少し注意していただけると、より正確な検査結果が得られると思います。

とはいえ、血液検査(採血)の基本は空腹時です。また、食べ物に含まれる成分には1日摂取目安量がもうけられているので、それらを参考にほどほどに摂るよう心がけましょう。

臨床検査部 K・A

(引用)

看護roo 現場で使える看護知識HPより

日本臨床検査技師会誌 医学検査 第70巻 第4号
公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院リバーサイド臨床検査室
中川ら「食事による影響が推測された一過性の血中カリウム値上昇についての検討」より

 

春の日差しで骨を丈夫に

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4月になり暖かい日差しがとても気持ち良くて、ちょっとお出かけしたい気分になりますね。先日、検査時に患者さんと会話していた時のこと。平成病院駐車場の桜が綺麗なことからお花見の話になりました。患者さんが、「昔はお弁当持って花見をしていたけど、今はお弁当持って花見することもないなあ。」
コロナ禍。そう言えばそんな楽しみ忘れていたなと、週末、近所に子供とおやつを持ってお花見に。うららかな春の日差しが心地よく、誰もいない桜の木の下で春を満喫してきました。

春はお出かけの時、紫外線も気になってくる季節。女性はしみを気にして紫外線にあたらないようにする方は多いですよね。でも、紫外線、悪い面ばかりではありません。ビタミンD合成に重要となり、紫外線にあたることにより皮膚で合成、体内へ吸収されます。その他、ビタミンDは魚やきのこなどの食べ物の摂取によっても合成されます。体内に取り込まれたビタミンDは肝臓で25水酸化ビタミンDに変換されて、血液中を循環します。腎臓で活性型の1,25(OH)2Dへ代謝され、小腸、骨、副甲状腺などの標的臓器に作用することで血中カルシウム濃度の調整を行います。
ビタミンDが低下した状態が続くと、小腸からのカルシウム吸収が低下し、副甲状腺ホルモンの分泌が高まって骨吸収が亢進する一方、骨形成は低下してしまいます。そして骨が脆くなり骨粗鬆症となってしまいます。

現在ではスキンケア商品が広く使用されているため、多くの方がビタミンD欠乏状態にあることには驚かされます。
地域により日差しの強さに差があると思いますが、夏には木陰で30分程度、冬には1時間程度を目安としたらいいそうです。もちろん、紫外線だけに頼るのではなく、食事からの摂取も重要です。骨粗鬆症予防にはカルシウムもたっぷりと摂りましょう。

ビタミンDは血液検査で分かります。当院検査部にて測定可能ですよ。気になられる方は一度、医師に相談するのもいいかもしれませんね。
骨を強くし、丈夫な体を作っていきましょう。

 

参考文献・ホームページ
臨床検査を使いこなす 日本医師会
ビタミンD[25(OH)D]の検査と骨 BML
骨粗鬆症ってなに? 骨粗鬆症財団

 

検査技師NY

花粉症について

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花粉症の季節になりました。花粉症の症状がでている方もいらっしゃるかもしれません。

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。医学用語では、季節性アレルギー性鼻炎といいます。
花粉症を引き起こす植物といえばスギ花粉がよく知られていますが、このほかにも日本では約60種類あるといわれています。春先のスギやヒノキ、初夏のシラカンバ、秋のブタクサやカナムグラなどです。

症状として現れやすいのが、鼻と目です。鼻の三大症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり。目の三大症状は、目のかゆみ、充血、涙です。
花粉が目や鼻から入ってきて、体内の免疫システムによって「異物=敵」とみなされると、敵に対抗するための抗体(IgE抗体)が作られます。
このIgE抗体は、花粉に接触するたびに作られるため、少しずつ体内に蓄積されていきます。蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの花粉症の症状を起こします。
去年までは大丈夫だったのに急に花粉症になってしまうのは、これまで蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったからです。

花粉症を起こしている原因植物も、症状の出方も人によってさまざまです。まずは原因を探り、自分にあった治療方法を見つけることが大切です。

本当に花粉症なのか、花粉症ならば何が原因なのかは、血液検査で分かります。
血液検査には、血中の総IgE抗体が多いか少ないかを調べる検査と、花粉に反応するIgE抗体(特異的IgE)を調べる検査があります。当院でも実施出来ますので、ご相談ください。

花粉症の治療法のひとつに、舌下免疫療法があります。
舌下免疫療法の治療期間は3~5年が推奨されていて、内服薬や点鼻薬が不要になる、あるいはその必要量が減る可能性はあります。必ずしも全員に効果があるものではないですが、私の息子も花粉症で、この時期になると鼻水や目のかゆみに悩まされていましたが、舌下免疫療法を2年半前から実施して鼻水の症状はずいぶん改善されました。もし興味がある方は、当院耳鼻咽喉科に相談していただけたらと思います。

     (参照:みんなの医療ガイド「花粉症について」:公益社団法人全日本病院協会)

                              臨床検査技師R.A

副腎について

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副腎は1個が5g前後で、径は数cm程度の扁平な円盤状ないし半月状の中央部が厚くなっている臓器で、左右の腎臓の上端に接しています。副腎髄質と副腎皮質で構成され、それぞれ異なる内分泌機能を有します。

副腎髄質(副腎内部)は、アドレナリンやノルアドレナリンを分泌し、血圧、心拍数、発汗など、交感神経系によっても調節される身体活動の制御に影響を与えます。
副腎皮質(副腎の外側部分)は、コルチコステロイド(コルチゾールなどのコルチゾン様ホルモン)や、ミネラルコルチコイド(特に血圧や体内のナトリウムとカリウムの濃度を制御するアルドステロン)などのホルモンを分泌します。また、アンドロゲン(テストステロンとその類似ホルモン)の分泌を刺激します。

副腎は部分的に脳に制御されます。視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンとバゾプレッシンは、下垂体に副腎皮質刺激ホルモンを分泌させ、このホルモンに副腎が刺激されてコルチコステロイドを分泌します。また、主に腎臓で調節されるレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系により、副腎のアルドステロン産生量が増減されます。
コルチコステロイドの量は体の要求によって調整され、1日の中で遅い時間帯よりも早朝でより高い傾向があります。また体がストレスを受けると、コルチコステロイドの量は急激に増えます。
副腎の機能不全症は、その大半が全ての副腎皮質ホルモンの分泌に影響を及ぼします。機能低下症は副腎自体の機能異常による原発性と、下垂体や視床下部による副腎刺激の不足による二次性があります。

副腎の機能亢進症は、関係するホルモンに応じて大きく異なる症候群を引き起こします。
・コルチコステロイドの過剰分泌→クッシング症候群
・アルドステロンの過剰分泌→アルドステロン症
・アンドロゲンの過剰分泌→副腎性器症候群
・アドレナリンおよびノルアドレナリンの過剰分泌→褐色細胞腫

当院でも、コルチゾール、アルドステロン、カテコールアミンなど副腎ホルモンの検査依頼がありますが、院内では測定できないため外注検査となります。また検査項目によっては、ストレスや運動の影響を受けないように採血前20~30分安静が必要となりますのでご協力ください。

(「MSDマニュアル」参照)

臨床検査部 TaMa

コロナ禍の中の臨床検査部

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2022年 皆様のご健康をお祈りします。
年明け約2週間の新型コロナウイルス陽性者数は爆発しました。
しかし、陽性者数に惑わされず、もしインフルエンザ並みの致死率になったとしたなら(ワクチンの効果であったとしても)、5類感染症扱いが妥当という意見があります。
日本ではコロナがパンデミックになる以前は、インフルエンザは60-100人に1人の罹患率、~200万人/年もの罹患数がありました。

仮にそうなったとしても、身に着けた感染対策は年中怠らないことは言うまでもありません!よもやワクチンを3回接種するとは思ってもいませんでした。高い獲得免疫がある一方で持続力がなく、コロナは季節性が薄いことが要因だと思います。
日本のワクチン開発に時間がかかるのは様々な背景がありますので、期待し過ぎずに静観しておこうと思います。経口薬などコロナに特化した超有効治療薬もやはりまだまだ時間がかかりそうです。

日本は陽性者や重症者を比較的良く抑え込んでいますが、桁違いに多い国があります。国民性や対策、人種の違いによる影響が大きいのでしょう。腸内細菌の関連性も報告されています。
何れにしても、ウイルスも変異を繰り返しながら生きながらえていく訳ですから、この世から根絶させることはまず困難(唯一、天然痘は撲滅したとされている)だと思います。
私たち人類も進化して今の姿に落ち着いており、世界には各々の地形や気候に順応した異なる人種が存在しています。これも変異の一種なのです。

さて、当院臨床検査部では積極的に関連学会への発表形式等による参加を続けています。コロナ禍による未開催があり、暫く停滞気味でしたが復活しています。
我々は研究のための研究に終わらないことをコンセプトにしています。すなわち、遠い未来のための基礎的研究ではなく、既に臨床上実用化されているものを使用して業務へ応用化し、また知見を増やすことを目的とした臨床的研究です。

2021年度の中国四国支部医学検査学会はオンデマンド開催になりましたが、4演題も提出しています。
一つ目は赤血球や白血球や血小板などの数を調べる血液検査に使用する抗凝固剤によって、血小板数が見かけ上減少してしまう場合がある時の解決方法、二つ目は心筋梗塞など虚血性心臓疾患の補助的診断マーカーである心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)と心筋トロポニンの検査の定量法が定性法よりも優れていること、三つ目は敗血症(感染症によって全身の重要な臓器が重い障害を受けてショック状態になる)の補助的診断マーカーであるプレセプシンの当院独自の基準値を検討、四つ目はこのプレセプシンの検査材料(検体)が汎用性のあるものに変更出来ないかというものです。
全て良い結果が得られ、補助診断の有益な情報となっていますし、また、応用化もされています。スタッフの頑張りが成果に繋がっています。
次に考えているのは新型コロナウイルス検査に関することです。現在使用している方法が、判定までに掛かる時間を半分にできないかという大胆な試みです。実効性を得るためには時間が必要ですが、実現したいと考えています。

このように臨床検査部は当院の他部門にも引けを取らず、患者さんの利益に繋がるように『日々是努力』をしていますのでご期待とご応援をお願いします。

臨床検査部 光源頭

二日酔いについて

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12月になり、例年通りとはいかないものの忘年会のシーズンになりました。

年末年始は親戚の集まりなどお酒を飲む機会が増えると思います。そこで気になるのが、お酒を飲みすぎた翌日に起こる、吐き気や胸やけ、頭痛などの不快な症状「二日酔い」です。お酒を飲むことで体内に入ったアルコールはからだ中を巡りますが、脳に到達するとアルコールが脳の神経細胞を麻痺させ「酔った」状態になります。

その後肝臓で分解されていく過程で産生される有害物質が過剰に蓄積することで二日酔いが生じるとの説があります。過度なアルコールは、血圧や尿量、血糖値などを調節するホルモン分泌に影響を与え、脱水や低血糖状態になり二日酔いの症状を悪化させることもあります。

時間が経過すると自然に改善していきますが、治療が必要になることもあります。

そこで、お酒を飲むときの予防策です。空腹時にお酒を飲むと、胃の粘膜が荒れやすいです。食べ物を口に運ぶことで飲み方がゆっくりになり、アルコールの吸収も緩やかになります。次の食品と一緒に食べるとよいとされています。
・胃の粘膜を保護する作用:牛乳やチーズなどの脂肪を含む食品
・アルコールを分解する力を高める作用:枝豆や豆腐、肉、魚などのタンパク質
・アルコールで失われがちなビタミン・ミネラル類を補う作用:野菜      等

お酒を飲んだ後は、アルコールによる利尿作用によって脱水症状を起こしやすくなるため、水分補給を心がけましょう。体内のアルコール成分を尿として早く体外に出すためにも有効です。お酒を飲んだ後は以下のものを積極的に摂るとよいとされています。
・アルコールの分解や代謝を促す作用:果糖やビタミン類(果物、100%果汁ジュース)
・胃の粘膜を修復する作用:緑茶や柿に多く含まれているタンニン
・頭痛やだるさをやわらげる作用:カフェイン(二日酔いの胃には刺激が強いので、ミルクを入れて飲むといい)
・肝機能を改善する手助けをする作用とされる:ウコン       等

二日酔いの症状がつらいときは、症状に応じた薬を上手に使ってつらさを和らげることも可能です。胃痛や胃の膨満感、吐き気、食欲不振などには、傷ついた胃の粘膜を保護する作用のある胃腸薬を選んでください。胃の粘膜が荒れ、悪化すると急性胃炎や胃潰瘍を起こすこともあるので、吐き気や胃痛、おう吐など胃の症状がひどく、なかなか治まらない場合は病院を受診しましょう。水分と睡眠がとれ、安静によって症状が改善されるなら、自宅で様子を見ましょう。

また、よく「二日酔いには迎え酒」といわれますが、もう一度アルコールを体内に入れ、酔うことで感覚が麻痺し、楽になった気がするだけです。迎え酒を繰り返すことから、アルコール依存症につながる例も多いとされています。絶対にやめましょう。
二日酔いの一番の原因は「飲みすぎ」です。お酒は「適量」を守って飲めば、悪酔いや二日酔いを招くことはありません。まずは自分の適量を知り、飲みすぎないことが最大の予防となります。

予防策や飲み方ひとつで次の日の体調はかわります。上手にお酒と付き合って、楽しい年末年始にしましょう!

臨床検査部 M.Y.

参考:お酒と健康 適正飲酒の10か条 アルコール健康医学協会
メディカルノート 二日酔い 横田 修一先生監修
くすりと健康の情報局 二日酔いの症状・原因 第一三共ヘルスケア

睡眠と生活習慣病との深い関係

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11月に入り、急に気温が下がり寒くなってきましたね。
今回は、睡眠と生活習慣病との深い関係についてお話ししたいと思います。
私たちが生きていくうえで、睡眠はなくてはならないものですが現代人の生活は夜型化しており、日本人の平均睡眠時間は50年前に比べると約1時間も短くなっていると言われています。

最近の研究では、睡眠不足が生活習慣病を引き起こすこともわかってきました。
まず遅くまで起きている人や、眠りの浅い人などは、常に緊張状態である交感神経が優位となって血圧が高い状態が続くため、高血圧を招くと考えられています。
次に睡眠不足は血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きを悪くするため、糖尿病の発症リスクを高めることがわかっています。
さらに、睡眠不足になると食欲を調整するホルモンに影響して食欲を増大させるため、肥満を招くと考えられています。

快眠を誘う生活習慣のポイント
①1日3食の食事を規則正しくとる
②寝る時間と起きる時間を毎日一定にする
③朝、カーテンを開けて自然光を浴びる
④就寝3時間ぐらい前に適度な運動を習慣にする
⑤入浴は就寝する2~3時間前までに行う
⑥カフェインが含まれる飲食物を避ける
⑦就寝前にPCやスマートフォンなどの画面を長時間見ない
などを心がけるようにするといいそうです。
生活習慣病を防ぐためにも快眠を得るためにも、良い生活習慣を身につけましょう!“

参考文献
・眠りの質を高めよう! 全国健康保険協会
・快眠と生活習慣 e-ヘルスネット(厚生労働省)

臨床検査部  Y・K