栄養科通信vol.125「骨粗鬆症を予防しましょう」

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わたしたちの骨は骨吸収(骨を壊す)と骨形成(壊した骨を修復し新しくする)を繰り返すことで新陳代謝を行っています。骨粗鬆症とは加齢などによって新陳代謝のバランスが崩れ、骨の中のカルシウムなどが減少し、強度が低下することにより骨折しやすくなる病気のことをいいます。骨粗鬆症によって骨がもろくなると、転んで手をついた、くしゃみをした、などのちょっとしたことで骨折してしまうことがあります。また、転倒などが原因で大腿骨を骨折してしまうと、寝たきりの原因にもなり、介護が必要になることがあります。

骨を強くする食事
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどは骨を作るのに大切な栄養素です。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収効率を上げ、ビタミンKは骨へのカルシウムの沈着を助けます。

●カルシウムを多く含む食品
牛乳、乳製品、小魚、モロヘイヤ、小松菜、大豆製品など

●ビタミンDを多く含む食品
きくらげ、干ししいたけ、鮭、さんまなど

●ビタミンKを多く含む食品
納豆、クロレラ、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーなど

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られます。時刻や気候にもよりますが、体内でビタミンDを生成するには、1日10~30分日光にあたることがよいと言われています。

骨を強くする運動
骨は負荷が加わると骨を作る細胞の働きが良くなり、強くなると言われています。宇宙の無重力空間では骨に負荷が加わらないため、骨の中のカルシウムが尿に溶けだし骨がもろくなってしまいます。そのため宇宙飛行士は骨密度が低下しないよう、宇宙空間でもトレーニングを欠かさないそうです。骨を強くするための運動は、散歩やゲートボールなどの軽い運動でも効果があります。買い物や家事などで毎日歩くことでも骨に刺激が加えられ、強度を増すことに繋がります。

タバコの影響について
タバコに含まれるニコチンは全身の血流を悪くし、カルシウムの吸収を妨げます。また、女性ホルモンの分泌を妨げることで骨量の減少を招きます。骨折後も喫煙により骨折部位への血流が悪くなり、骨折してから治るまでの期間が長くなる恐れがあります。

このように食事や運動、禁煙などを実行することで、骨粗鬆症のリスクを減らすことができます。上記で挙げた栄養素を意識して摂取し、毎日の運動や家事で骨を強くしましょう。

 

出典:公益財団法人 骨粗鬆症財団
公益財団法人 日本整形外科学会
骨粗鬆症ホームページ iihone.jp

管理栄養士 A.T