理学療法士による運動のススメ~自分にやさしい運動のはじめ方~

最近、街を歩いていても、TVをつけても、健康や運動の記事をよく目にします。1日何分とか、何歩とか、運動のやり方も詳しく説明してくれていて、うれしく思っています。ただ、TVの情報を鵜呑みにして、そのまま自分に当てはめると、かえって筋肉や関節、心臓に過剰な負担をかけかねません。運動は、はじめ方が大切です。そこで今回は、運動をやさしくはじめるコツについて、いくつかご紹介したいと思います。

コツ① あなたは今、なぜ運動をはじめようと思ったのか、記録しておきましょう。
体力づくりや医師のすすめ、生活習慣病の予防、ストレス解消など、人によって運動の目的は様々です。ノートや携帯電話など、いつも目にする場所に、自分は何のために運動をはじめようと思ったのか、今の気持ちを書き残しておきましょう。目的によって、どんな運動を、どのくらいの時間、月にどの程度するのがいいかが変わってきます。また、運動することが面倒に感じたときに読み返すと、初心を見つめ、気持ち新たに運動と向き合うことができます。ぜひ、なんとなくはじめてしまうのではなく、今の気持ちを記録しておきましょう。

コツ② 1日○○分、ではなく、あなたが無理なく続けられそうな運動からはじめましょう。
たとえ『フルマラソンを完走したい』という目標を立てたとしても、走る練習からはじめないといけないわけではありません。若いころやっていたスポーツや朝、晩の散歩からはじめるのもいいでしょう。2日に1度していた家の片づけや庭の草抜きを毎日するなどでも構いません。メディアで紹介されているものもいいですが、まずは運動に慣れること。いまの生活に少しだけでも運動を組み込むことからはじめてみるのはいかがでしょうか。

コツ③ 使う道具はできるだけカッコイイものを選びましょう。
昔から倉庫に眠っている運動靴を取り出してくるのもいいですが、今は安くて、機能的で、カッコイイものがたくさん売られています。古い靴底は固くなり、ケガにつながりやすいです。せっかくのやる気を後押ししてくれるような、あえて普段買わない色の物を身にまとい、さっそうと運動を始めてみてください。最初は周りから注目されているような気がして恥ずかしいかもしれませんが、あなたには自分で決めた目的があるはずです。自然と視線は上がり、背筋は伸び、良い姿勢で運動することができますよ。できるだけ発色の良いものがおススメ。雨が続いて休んだ後や寒くて外に出たくない時も、玄関にピンク色のカッコイイ靴が置いてあると自然と運動したくなるかもしれません。ただ、サイズ合わせは慎重に。できれば店員さんに相談してみましょう。運動に慣れてきたら、雨天用の靴として倉庫に眠っていた運動靴を使ってあげて下さい。地面が滑りやすい時はいつもより軽めの運動に抑えましょうね。

今回は運動のはじめ方についてご紹介しました。動機づけさえしっかりできれば、長続きすることができます。そして、だんだん体力がついてきて、物足りなくなってきます。そこまで行けばあなたの勝ちです。気持ちのままに、どんどん自分の運動を発展させていってください。物足りなくなるまでは、無理をせず、心が折れそうな時は初心に戻り、カッコイイ服を着て、さっそうと運動を楽しんでください。
あなたの勇気あるチャレンジが成功しますように。ではでは。

理学療法士 糖尿病療養指導士 樋野稔夫