その低血糖の原因は?

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

低血糖とは血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が70mg/dL以下と異常に低くなっている状態で、以下のように精神的身体的に様々な症状を引き起こします。血糖値が低いほど重症になりますので軽いうちに対処する20160517必要があります。
中枢神経症状;意識の混乱、眠気、頭痛、痙攣など
自律神経症状;空腹、発汗、不安、動悸など

低血糖は糖尿病の治療をされている方に薬が効きすぎたり、食事量が低下したりして起こることが多いとされていますが、以下のような体質や食事の過剰摂取などでも起こることがあるそうです。
体質;胃下垂症、胃酸過多、貧血、アレルギー体質、自律神経失調症、甲状腺機能障害など。
その他;薬、アルコールやカフェイン含有清涼飲料水の過剰摂取、炭水化物や動物性タンパク質の過剰摂取、胃切除後のダンピング症候群、一部の腫瘍によるもの、インスリン自己免疫症候群、カルニチン欠乏症など。

ここで、薬による低血糖についてお話します。
低血糖を起こす薬ってインスリンや経口血糖降下剤などの糖尿病治療薬だけだと思っていませんか?
実は、医療機関から処方される抗不整脈薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(降圧剤の一種)、非定型抗精神病薬、ニューキノロン系・ST合剤・クラリスロマイシン・第三世代セフェム系などの抗生物質、セレギリン塩酸塩(パーキンソン病治療剤)などの薬にも副作用として低血糖が報告されています。これらの薬にもよりますが、高齢者や腎機能障害、糖尿病治療中、栄養状態不良などの複数の要因が組み合わさって低血糖を起こすことがあると言われています。
低血糖を起こしたとき、何が原因なのか突き詰めないと繰り返し低血糖を起こしてしまう危険があります。食事摂取量や処方された薬に変更がないか、上に挙げている薬を服用していないかなども確認しましょう。
また、全ての医療機関から処方されている薬の内容を1冊のお薬手帳に記録して、薬の飲み合わせで低血糖を助長しないよう注意したいものです。

糖尿病療養指導士&薬剤師 M