栄養科通信 Vol186 「味覚について」

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普段食べている食事の中で感じる味わいには基本の「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5種類があります。これらが合わさることでおいしさを引き出すことができます。みなさんはその味を十分に感じられていますか?
味覚は加齢に伴い感じにくくなるといわれており、その原因に唾液分泌量の低下や味蕾の減少、薬の副作用などがあげられています。これらを予防するためには、唾液の分泌を促すことや亜鉛の摂取が効果的とされています。
唾液量が少なくなると味を構成する物質が味蕾に届きにくくなるため、味を感じにくくなります。お茶や水などの水分をこまめにとる、顎・舌の唾液腺をマッサージする、よく噛んで食事をするなどの方法で唾液を促しましょう。
亜鉛の摂取には味覚を正常に保つ効果があります。亜鉛を多く含む食品として、牡蠣、ホタテ、煮干し、牛もも肉、卵、納豆、カシューナッツなどがあげられます。亜鉛を効果的に吸収するためにはビタミンCやクエン酸を含むものとの摂取が効果的とされており、緑黄色野菜やかんきつ類などと一緒に摂るとよいです。反対に吸収を妨げるものとして加工食品に含まれる食品添加物が挙げられます。そのため手軽ではありますが、冷凍食品やレトルトの加工品ばかりに偏ると自然と亜鉛が不足しがちになってしまいます。亜鉛は一般的に食事からの摂取で過剰症になることは少ないですが、65歳以上では40mg以上(牡蠣300g相当)摂りすぎると嘔吐、下痢、貧血などを招きやすくなるので注意しましょう。
いつまでも食事を美味しくいただくためには味覚を正常に保つことが重要です。上記のことを意識して過ごしてみてください。

管理栄養士 M.T