栄養科通信vol.184「冬のかくれ脱水に注意」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

脱水症と聞くと夏のイメージが強いかもしれませんが、実は冬こそ脱水に注意なんです。冬は空気が乾燥し、さらに室内でエアコンなどの暖房器具を使用すると湿度が低下して、皮膚などから水分の蒸発がすすみやすくなります。また暑い夏に比べると汗をかく機会が少なく、加えてマスクの着用で口腔内の湿度が保たれ、のどの渇きを感じにくくなるため、水分を積極的にとらない人も多くなりがちです。結果的に体の外へと出ていく水分は多く、体の中に補給される水分は少なくなるため、特に自覚がないまま脱水状態に陥る「かくれ脱水」になります。

以下のようなかくれ脱水のサインを見逃さないようにしましょう。

・皮膚がカサつく。ハリがなくなった。

・口の中が粘つく。つばが少なく、つばを飲み込めないことがある。

・便秘になった。あるいは以前よりひどくなった。

・足の脛がむくみ、靴下のゴムの跡がのこるようになった。

かくれ脱水を防ぐ基本は、こまめな水分補給です。高齢者の場合は特に気温や体調の変化、喉の渇きなどを感じにくいことから慢性的に水分が不足しがちです。個人差はありますが1日1.2L程度を目安に、1日のなかで時間を決めて意識的に水分を補給することを心がけましょう。就寝中も汗をかいているため、朝起きた時にコップ1杯程度の水分補給も忘れないようにしましょう。

また、乾燥対策も大切です。加湿器の使用や、濡れたタオルを室内に干すなども効果的です。さらに冬は寒さ対策として厚着をする機会が増えますが、室内の温かい環境で厚着のままでいると、汗をかいて水分を奪う要因になります。脱ぎ着しやすい服装で体温をコントロールしましょう。

 

脱水は発汗だけでなく、季節による気温変化などさまざまな要因で起こります。冬だからといって油断することなく、こまめな水分補給を心がけて快適な冬生活を送りましょう。

管理栄養士 Y.M