「インスリン リスプロ注」の採用について 糖尿病療養指導士より

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現在はジェネリック医薬品の普及が進んでいます。最近では「オーソライズドジェネリック」と呼ばれる、先発医薬品と全く同じ製品を、ジェネリック医薬品として安価に入手できるような機会も増えてきました。

「バイオテクノロジー応用医薬品(バイオ医薬品)」にも、ジェネリックの流れが押し寄せています。バイオ医薬品には、ヒトインスリン、抗体製剤、ワクチン、血液由来医薬品、血液製剤、アレルゲン抽出物など多くの種類があります。バイオ医薬品では、「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」ではなく、「バイオシミラー(バイオ後続品)」と呼びます。バイオシミラーは、複雑な構造をしているため、先行バイオ医薬品との同一性を示すことが非常に困難です。品質特性、有効性、安全性について、先行品との同等性や同質性を検証する臨床試験が課され、製造販売後にも、免疫原性の問題などの安全性プロファイルなどを調査するための製造販売後調査など、多くの検証が義務付けられています。

2015年に、「インスリン グラルギン(先行品製品名ランタス)」がインスリン製剤初のバイオシミラーとして発売され、当院でも採用しています。治療効果や安全性に関する問題は発生していません。2020年には、「インスリン リスプロ(先行品製品名ヒューマログ)」が発売され、安価で高品質な治療薬として、当院でも採用を開始しました。

最近は、ジェネリックを希望される患者さんも徐々に増えています。保険医療では、健康保険により医療費の1~3割が自己負担となり、残りは保険で支払われます。保険料は、もちろん税金で賄われているのですが、国の財政は赤字ですから、将来大人になるお子さんや、お孫さんに「つけ」を残して、将来支払ってもらう、ということでもあります。子供たちの未来の負担をちょっとでも減らすために、皆で医療費抑制に取り組みましょう。

糖尿病療養指導士&薬剤師 いっちー

 

※画像は素材写真です