夜に電気をつけっぱなしで寝ると太る?

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

食べ過ぎや運動不足は肥満になりやすいといわれています。肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症などとの関係が深く、肥満を放置していると生活習慣病が悪化し動脈硬化につながります。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気になる原因になります。また、肥満は骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などを起こしやすくなります。

最近では肥満の予防には食事や運動だけではなく睡眠も大切といわれています。部屋のテレビや照明をつけたままうっかり寝てしまうことはありませんか?十分な睡眠時間をとったのに翌日体の疲れがとれていないことがあると思います。今回は肥満の予防には睡眠の質を高めるとよいという研究を紹介します。

米国医師会が発行する医学誌のJAMA Internal Medicine上で公開された研究論文では電気を消さないで眠ると太りやすい可能性があることが明らかになりました。今回の研究で対象となったのは米国50州とプエルトリコの女性で、交代勤務や昼夜逆転の生活を送っておらず、がんや心血管疾患などの病歴がなく、妊娠もしていない人です。睡眠中の照明について回答してもらい、5年間の体重の推移や健康状態について調査が行われました。

結果は就寝中に照明やテレビをつけっぱなしにしていた女性では、睡眠中に部屋を暗くしている女性に比べ、5年間で体重が5kg以上増えるリスクが17%高く、肥満リスクは33%高かったようです。ただし、照明やテレビとは異なり、光が弱い常夜灯の使用と体重増加との間に関連はみられなかったようです。体重増加の原因は、夜間に照明にあたると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられて夜に眠れなくなり、体内時計のリズムが乱れるためではないかと考えられています。

体内時計のリズムが乱れると、食欲を増進させるホルモンの分泌が高まり、食欲を抑えるホルモンの分泌が低下し、食欲が増加します。そのため摂取量が増え、肥満につながるというわけです。

食生活の見直しと合わせ良好な睡眠を得るために、寝るときは照明やテレビを消し、直前までスマートフォンやパソコンなどの電子機器にさわらないようにする習慣を身につけ肥満のリスクを軽減しましょう。

 

参照:https://dm-net.co.jp/calendar/2019/029244.php

https://www.niehs.nih.gov/news/newsroom/releases/2019/june10/index.cfm

栄養科 Y.M