夏の脳梗塞に要注意!

カテゴリー: 訪問看護ステーション | 投稿日: | 投稿者:

猛暑、酷暑という言葉を当たり前に耳にするようになった近年。お盆が過ぎてもまだまだ暑さは厳しく、引き続き体調管理には注意したいものです。夏場になると熱中症の話題が多く出ますが、脳梗塞が夏場に多いのはご存知でしょうか?冬場よりも夏場が多いというデータもあります。

<原因>汗をかいて血液中の水分量が不足すると血栓ができやすくなります。つまり脱水が原因ですので、体温調節機能が低下している高齢者などの場合、脳梗塞のリスクが高くなります。
<脳梗塞前兆の判定法>のFAST(ファスト)があります。
Fはフェイス 顔の麻痺(顔のゆがみ、よだれが片方から出る)
Aはアーム 腕の麻痺(力が入らない、垂れ下がったまま)
Sはスピーチ 言葉が出ない、呂律が回らない
Tはタイム 発症時間→FASの症状があれば、すぐに病院に行きましょう

<予防>水分補給
のどが乾いたと思った時には脱水は始まっています。渇きを感じなくても、日中は1、2時間毎と時間を決めると定期的な水分補給になります。就寝中や起床1、2時間くらいが発症しやすいため、就寝前、起床後にコップ一杯の水分を摂るようにしてください。飲み物は水、麦茶は利尿(尿をよく出す)作用が少ないです。アルコール、緑茶やコーヒー、紅茶などのカフェインが入ったものは利尿効果があるため余計に脱水になってしまいます。

<訪問看護でのエピソード>
いつものように訪問をすると、顔がゆがみ、よだれが片方から流れ、体が傾き手に力が入らない状態のAさん。妻が「昨日からおかしかったけど、今日看護師さんが来てくれるから待っていたのよ」と言われました。脳疾患が疑われ、即座に受診しました。時間が経過していたことから治療効果は十分でなく、半身麻痺が残りました。そこから在宅が難しくなり施設入所になりました。

私たち訪問看護は自宅にお伺いさせてもらっています。生活環境を把握し、その中で利用者や家族に合った病気の予防や改善の提案をしています。Aさんにも脱水予防をお伝えしていたのですが、残念でなりません。「自宅で過ごしたい」という思いに心を寄せ、その人らしく安心してお家で過ごせるよう援助していきたいと考えています。気軽に相談できる関係を大切にしながら、訪問看護が頼れる存在になりたいと思っています。

      訪問看護 O