芸術作品

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私事ですが、先日、念願だった鳥取砂丘へ行ってきました。
とても風が強い日で、砂がサラサラと舞っていました。

近くにある、砂の美術館にも行きました。
素材が砂であるとは思えないような、繊細な彫刻作品たちが展示されていました。あんなにサラサラしていた砂が、固められ、整形され、芸術になっている・・・

そう、薬も同じです。
最もメジャーな剤形である錠剤。今回は、製錠についてのお話です。

製錠法はいくつかありますが、最も一般的に用いられている、湿式顆粒圧縮法という方法について紹介します。
① まず、原料粉末を粉砕して大きさを揃え、整粒して形を揃えます。すると、サラサラとした粉薬である散剤となります。
② 次に、賦形剤(扱いやすくするもの)や崩壊剤(有効成分の放出を助けるもの)、結合剤(接着させるもの)など必要ものを添加したり、混ぜたり練ったりした後に、乾燥させ、形を整えます。すると、粒状の顆粒剤となります。
③ さらに滑沢剤(流動性や滑沢性を与えるもの)を加えたものを混ぜ合わせ、打錠(一定の形状に圧縮する操作)を行うと、待望の錠剤の出来上がりとなります。

しかし、ここで終わりではありません。お手持ちの薬があれば見ていただきたいのですが、表面がツルツルしていたり、マークや薬の名前が書いてあったりしませんか。
薬をコーティングすることで、においや味の改善、見た目の改善、薬の成分の保護、薬の効果時間の調節など、いろいろな働きを与えることができます。
また、薬に施されているマークや名前のことを印字と言いますが、印字は、その薬が何なのかを教えてくれます。

たくさんの知恵が詰まったその一粒、ぜひ薬効も思い返しながら、正しく飲んでくださいね。

 

薬剤部 P