日別アーカイブ: 2021年5月17日(月曜日)

夏の日差しに備えて

カテゴリー: 薬剤部 | 投稿日: | 投稿者:

5月に入り、暖かくなってきましたね。日差しも強くなり、日傘や日焼け止めが必要な季節となってきました。紫外線は3月頃から急激に強くなりはじめ、5~7月にかけてピークを迎えるそうです。

紫外線は、波長の長さによってUVA(紫外線A波、400〜315nm)、UVB(紫外線B波、315〜280nm)、UVC(紫外線C波、280nm以下)の3つに分類されます。UVCはオゾン層に吸収されるため、地表には届きません。私たちの肌に悪影響をもたらし、日焼けの原因となるのは、UVAとUVBの2つであり、それぞれ肌への作用が異なります。
UVAは地表に降り注ぐ紫外線の約9割を占めます。波長が長く、家の中、車の窓ガラスも透過して肌にも到達するため「生活紫外線」とも呼ばれます。UVAを浴びると、肌はゆっくりと黒くなり、シワやたるみを引き起こします。UVBは波長が短く、屋外での日焼けの主な原因となるため「レジャー紫外線」とも呼ばれます。たくさん浴びてしまうとすぐに赤く炎症を起こし、メラニンをつくり、シミや色素沈着の原因になります。

日焼け止めのパッケージで「SPF」、「PA」という表示をよく目にするかと思います。
「SPF」とは・・・シミ、ソバカス、皮膚がんの原因となるUVBの防止効果を示しています。「日焼け止め化粧品を塗った場合、塗らない場合に比べて何倍の紫外線を当てると、翌日に肌がかすかに赤くなるか」を示しており、数値が高いほど防止効果があります。
「PA」とは・・・しわやたるみの原因となるUVAの防止効果を示しています。PA+、PA++、PA+++、PA++++の4段階があり、「+」が高いほど防止効果があります。

SPF、PAの高いものほど日焼け止め効果は高いですが、必要以上に効果の高いものは肌に負担がかかってしまい、肌トラブルの元となります。特に、敏感肌や乾燥肌の方は注意が必要です。生活シーンに合わせて日焼け止めを選ぶことが大切です。また、日焼け止めだけに頼らず、外出時には日傘や帽子、サングラスを使うことも効果的です。環境省が発行している「紫外線保健指導マニュアル」では、「生活シーンに合わせた紫外線防止用化粧品の選び方」が下記のように提案されています。

・散歩やちょっとしたお買い物などの日常生活・・・SPF10前後、PA+~PA++
・屋外での軽いスポーツやレジャーなどの活動・・・SPF20~30、PA++~PA+++
・炎天下でのお出かけやマリンスポーツなど・・・SPF30~50以上、PA+++~PA++++
このように、生活シーンによって日焼け止めを使い分けることが、肌に負担をかけず上手に日焼けを防ぐコツです。ぜひ参考にしてみてください。

薬剤部 KF