日別アーカイブ: 2017年1月18日(水曜日)

インフルエンザはなぜ冬に流行するの?

カテゴリー: 臨床検査部 | 投稿日: | 投稿者:

2017年を迎え、早いことにもう半月が経ってしまいました。社会人になり4年目ですが、学生の頃と比べ、月日が流れる速さが年々増して行くような気がします。

さて、今年も恐ろしいインフルエンザ流行の時期となりました。当院にもワクチン接種や、発熱で受診されインフルエンザと診断される患者さんが毎日とても多くおられます。%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ab%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%81%ab%e6%b3%a8%e6%84%8f
真冬になると、毎年インフルエンザで世間は大騒ぎですよね。でも、そもそもなぜインフルエンザは冬に大流行するのでしょうか?夏はインフルエンザにならないのでしょうか?実は、夏もインフルエンザにかかることはあります。クーラーの中で長時間過ごしたり、夏バテで食欲が無くなったりすることで免疫力が下がり、インフルエンザウイルスに感染することもあるみたいですよ。ではなぜ大流行するのは冬なのでしょうか?大きな理由は、気温と乾燥です。

気温が下がると、人間の鼻や喉の粘膜の働きが弱くなってしまい、ウイルスに対する抵抗力、つまり免疫力が下がってしまうことで、体内に侵入しやすくなってしまいます。また、湿度があると水分とともにウイルスは地面に落ちますが、乾燥していると、くしゃみや咳で飛び散ったウイルスが空気中をふわふわと長時間漂っているのです。そこら辺をインフルエンザウイルスがふわふわ浮いていると考えるとものすごく怖いですよね。この漂っているウイルスを、免疫力が弱っている人が吸い込むことによって、感染してしまうのです。

さらに、インフルエンザウイルスは生きた細胞の中でしか増えることが出来ない、つまり人間の体内で増殖するのです。なので、インフルエンザに感染し、体内で増殖したウイルスがくしゃみや咳などで大量に外に飛び出すことで、周りの人もどんどん感染していってしまうのです。

感染→増殖→外で浮遊。この負の連鎖が起こることで大流行してしまうのです。

インフルエンザウイルスが体内に入り、発症するまでの潜伏期間は3日間と言われています。その3日の間に、初めは少量しか体内にいなかったウイルスがどんどん増殖し、高熱などの症状がでてしまうのです。自分はインフルエンザに感染していないと思っていても、実は感染していたというのはよくあります。20161213
ですから、マスクを付ける、人混みの中に行かない、室内の湿度を上げるなど、インフルエンザウイルスを体内に入れない、また人にうつさないようしっかり対策しましょう。
また、中には、37℃しか熱が出ていない方や、少し熱はあるがあまり症状が無い方など、ただの風邪と思っていたのに検査をしてみるとインフルエンザだったという患者さんもおられます。「ただの風邪だろう」と思っていても、早めに受診し、早めの検査と治療をしましょう。

臨床検査技師 M