日別アーカイブ: 2015年12月8日(火曜日)

栄養科通信vol.100「時間栄養学で生活習慣病を予防」

カテゴリー: 栄養科 | 投稿日: | 投稿者:

栄養科通信もついに100回目を迎えました!!
これからも色々な情報が届けられるように頑張ります。

今回取り上げる「時間栄養学」とは、「何を、どれだけ食べるか」に加えて「いつ食べるか」を考えた新しい栄養学です。
最近30年間で肥満、糖尿病が激増した原因は過食であると耳にしますが、国民健康・栄養調査でみると国民のエネルギー摂取量は1970年代に比べ減っているのが実状です。
・・・ではなぜ??
この理由は朝食の欠食と遅い夕食、高脂肪食、運動不足が誘因と考えられています。どのように朝食・昼食・夕食を食べればいいのか。どれくらいの量をどのような順番、速さで食べればいいのか。
ここで「時間栄養学」の活用が大切になります。

「時間栄養学」は大きく分けて「食べる時間」「食べる速度」「食べる順番」の3つ。20151208
「食べる時間」については、「朝食」が重要です。朝食を食べないと、「時計遺伝子」が作動せず、身体は無駄にエネルギーを消費しては危険だと察知し、その日の活動をセーブしようとします。
このことが意欲や活力、記憶力の低下を招く要因と言われています。人間の「時計遺伝子」を正確に作動させるのは、バランスの取れた朝食と朝日など光による網膜への刺激の2つです。
次に「食べる速度」ですが、これは肥満と密接に関係しています。肥満者の約60%が「早食い」であることが分かっています。食べ始めてから脳が満腹を認識するまでに約20分かかるので、1回の食事に20分かけて食べるようにしましょう。さらに、ゆっくり食べると血糖値の急激な上昇を防ぐことができ、それが肥満予防につながります。
最後に「食べる順番」についてですが、ここはご存知の方も多いのではないでしょうか。ご飯より先に野菜など食物繊維の多いものを食べると血糖値の上昇が抑えられます。同じ献立やカロリーでも「食べる順番」により、血糖値の上昇の度合いが違うため、話題になっているダイエット法です。

これからは「時間栄養学」を意識し、「朝食」「早食い注意」「野菜から食べる」食事で生活習慣病の予防が可能になりそうですね。

栄養科 塩っぺ