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医療介護系の実習・研修参加の条件として新型コロナワクチン接種が必須?

以前にも述べましたが、厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aでは、

「2.ワクチン接種を受けていない人に対する差別的扱いの防止」 として以下のように記載してあります。

新型コロナワクチンの接種は強制的ではなく、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に、職場において解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な扱いをすることは許されるものではありません。

特に、事業主・管理者の方におかれては、接種には本人の同意が必要であることや、医学的な事由により接種を受けられない人もいることを念頭に置いて、接種に際し細やかな配慮を行うようお願いいたします。

※労働契約法16条によると、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、解雇はその権利を濫用したものとして無効となります。

また、労働契約法17条1項によると、期間の定める労働契約の場合は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、解雇できないとされています。(記載引用 終わり)

実習や研修先の医療機関や介護施設から、ワクチン接種を実習・研修受け入れの条件とされるので実習生や研修生にワクチン接種を強制している実態があります。接種しない生徒を他の生徒の前に立たせて、接種を受けない理由を個別に述べさせる実態もあります。人権侵害の極みであり教育者として決してすべきことではありません。

受け入れ条件とすること自体が前述の厚生労働省の指針に反しているのですが、それを受けて実習生や研修性を差別している教育機関も指針に反しています。

教育機関によっては、ワクチン接種を受けない生徒に対し、実習日や研修日の新型コロナ抗原検査が陰性であれば参加を認めるとするところもあります。しかし、これは考えるまでもなく一方的な差別です。ワクチン接種済み者が感染していないとする根拠があるでしょうか? 現在の新型コロナワクチンには感染予防効果はないとされているのですから、ワクチン非接種者に抗原検査陰性を求めるのであれば、ワクチン接種済み者に対しても求めるべきです。さらに言えば、実習や研修機関で従事している勤務者は全員ワクチン接種済みでしょうか? 先の厚生労働省の指針によればワクチン非接種を事由に解雇してはいけないのですから、非接種者が仕事に従事していても不思議ではありません。その医療介護施設での「実習・研修にワクチン接種必須」が、現在の新型コロナワクチンの限界や副作用を考えると、「合理的な理由」とは思えません。

困っている方は、以下を参考に相談され、不合理な差別に甘んじないようにしてください。

平成南町クリニック  玉田

「政府では、人権相談窓口や総合労働相談コーナーにおいて、ワクチン接種を受けていない人に対する差別的な扱いや、感染者に対する偏見・差別など、新型コロナウイルス感染症に関連する不当な偏見、差別、いじめ等の被害にあった方からの相談を受け付けています。困ったときは一人で悩まず、相談してください。」
法務省相談窓口(http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html

職場における解雇や退職推奨、いじめ・嫌がらせなどに関する相談窓口 厚生労働省総合労働相談コーナー(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

イラスト:イラストAC