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何でもありのダブルソールト(2重の塩)

受診された方の症状や徴候から一定の疾患を推測しますが、中には色々な多数の症状・徴候があって一つの病気では説明しにくい場合もあります。しかし、複数の病気が同時に始まっている確率は低いので、なるべく一つの原因で説明できる方が合理的です。

「直感で始める診断推論」千葉大学医学部附属病院総合診療科教授 生坂政臣著 2022年3月22日第1版 日本医事新報社 115頁に、《COLUMM2 何でもありのS2ALT(ダブルソールト)》の記載があります。

多数の症候を一元的に説明できない時に想起するとよい疾患の頭文字を使った覚え方です。Sは、Sarcoidosis(サルコイドーシス)、SLE(全身性エリトマトーデス)の2つ、AはAIDS(後天性免疫不全症候群)、LはLymphoma(リンパ腫)、TはTuberculosis(結核)です。
更に3つ目のSとしてSyphilis(梅毒)を加えてS3ALT(トリプルソールト)として思い出しても良いと書かれています。感染性心内膜炎(全身に塞栓症を引き起こします)や多発性硬化症(多彩な神経症状を呈します)を追加して考えてもよいようです。画像診断の分野でも何でもありの(様々な画像所見を示す)疾患としてS2ALTが知られていると紹介してあります。さらに転移性悪性腫瘍やIgG4関連疾患も画像的に「何でもあり」の疾患ということです。(以上引用)

これまでの疾患では説明できないような多数の症状を示す原因として、現時点では新型コロナ感染症の後遺症やmRNA新型コロナワクチンの副反応も想起する必要があると思われます。ファイザー社がCOVID-19ワクチンのライセンスを維持するためにアメリカFDAに提出した臨床試験に関する報告書に掲載された接種後の有害事象は1291種類に及んでいるのですから、ワクチン副反応の症候は「何でもあり」と考えざるを得ません。

写真は、クリニックに飾っている「かぶと童子とクマ・金太」の組み木(小黒三郎氏の型紙から家人が作成)です。

平成南町クリニック 玉田