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湿布剤による光線過敏症  市販薬にも注意!

5月なのに真夏日になった日もあります。紫外線がますます増えてきていますので光線過敏症に過敏にならざるを得ません。2016年6月17日の本ブログで薬剤部からの「湿布の適正使用」でも記載されていますが、湿布剤での光線過敏症についてまとめてみます。湿布剤によるものは外因性光線過敏症のうち光アレルギー性皮膚炎に分類されます。ケトプロフェン以外にジクロフェナクを含む湿布剤にも光線過敏症の注意が記載されており、どちらも市販薬があり要注意です。

ケトプロフェン・ジクロフェナク(非ステロイド性消炎鎮痛剤の1種)含有湿布剤の 添付書(薬会社の薬説明書)や市販薬使用上の注意 の記載事項
《禁忌(使用してはいけない人・状況)》①本剤への過敏症の既往のある患者 ②アスピリン喘息またはその既往のある患者 ③以下の薬剤や成分を含む製品に過敏症の既往のある患者 ★チアプロフェン酸(内服薬 光線過敏症起こしうる) ★スプロフェン(チアプロフェン酸の異性体):外用塗布剤(軟膏・クリーム剤) ★フェノフィブラート:高脂血症治療薬 ★オキシベンゾン:日焼け止め剤や化粧品に含有 光線過敏症・発癌性環境ホルモン作用のリスクあり ★オクトクレリン:耐水性日焼け止め製品に含有 ケトプロフェン併用で光線過敏症のリスク増加 ④光線過敏症の既往歴のある患者 ⑤妊娠後期の女性
《注意》 重篤な接触皮膚炎・光線過敏症が発現することがある 重度の全身性発疹に進展する例の報告がある 損傷部位に使用しない
《副作用》 光線過敏症:使用後数日から数か月を経過してから発現することがある

湿布剤を使用してから数か月後に皮膚炎を発症することがあるので、夏になり半袖・半ズボンで直接日光を浴びて気付くこともあります。処方する際に注意点を説明はしていますが、毎回は説明していないかもしれません。市販薬にも光線過敏症の頻度が高い湿布薬がありますので、成分表や使用上の注意(いずれも小さい字で書かれています)をよく見るようにしましょう。

平成南町クリニック  玉田

《補足》 外因性光線過敏症の分類
光毒性皮膚炎(日焼け症状)  初回曝露でも発症(アレルギー無関係)
ソラレン コールタール サイアザイド薬 テトラサイクリン
光アレルギー性皮膚炎(紅斑・水疱) 初回曝露では発症しない 全身に発症する可能性がある
貼付剤・外用薬(光アレルギー性接触皮膚炎) ケトプロフェンは頻度多い  ジクロフェナク
内服薬 クロルプロマジン サイアザイド薬 テトラサイクリン シプロフロキサシン その他多種あり