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大声出さなくても判ります

聴力低下のある患者さんの診察時にはどうしても大声で話すことになります。しかし大きな声を出そうとすると、ついつい強い口調になってしまいがちです。悪くすると怒った感じになってしまいます。そうなるのを避けるために聞こえが良い側の耳元で話かけますが、やはり大きな声になり、また目線が合わせられませんので顔の表情が読み取れず、理解できているかどうかがわかりません。補聴器をつけておられても聞こえていない場合があります。

患者さんはよく聞こえていないので生返事をしてしまうことが多く、 また同伴の家族がおられる時には、「聞いといてや」と無関心な場面が多くみられます。今の状況下ではマスクをしていますが、いずれにしても唾液を飛ばす危険もあり、大声を出したり耳元で話しかけることは躊躇われます。
 そこで、連休明けから「拡声器」を使用しています。(写真左下にある黒い器具がそうです。ネット注文送料込みで3980円) ハンズフリーで普通の大きさ・普通の口調で話しても「聞こえています。」と言っていただけます。
それでも聴こえにくい時には装置を手に持って耳元に近づけます。こうすると目線をそらさずに、内容を伝えることができ、患者さんは会話に無関心でなくなり、聞こえにくかった時に比べ顔の表情が良いのを実感します。当方にとりましても大声出さなくてもよいので穏やかに話せますし、疲れません。
SARS-Cov-2感染症(新型コロナウイルス感染症)への対応がまだ必要ですが、その一環としての「拡声器」により思わぬ効果を得ることができました。

平成南町クリニック 玉田