パーキンソン病と認知機能・高次脳機能障害について

認知症はパーキンソン病に合併しやすい疾患と言われています。
当院のニューロモデュレーションセンターでDBSの治療をお考えの方、治療中の方にはST(言語聴覚士)とCP(臨床心理士)が関わらせていただきながら定期的な評価をしています。
具体的には、認知機能評価、前頭葉機能評価、その他の高次脳機能評価として注意力・記憶力・遂行機能力を評価するテストを行っています。評価するタイミングはDBSの術前評価で手術を安全に行える認知機能を有しているかの確認と、手術後の3ヶ月後・1年後・電池交換の際に同様の検査を行い、機能が保たれているか確認をします。そして万が一に認知機能の低下が進んでいる・・・などの気になる症状があれば、患者さまに合わせた脳トレのやり方の指導もさせていただいています。

パーキンソン病では「衝動行為(衝動制御障害):ICD」と呼ばれる精神症状がみられることもあります。例えば多幸感や躁状態に伴う浪費など理性の範囲で欲求をコントロールできない状態です。DBSの手術後にはICD症状が変化する方もいます。欲求をコントロールする能力は前頭葉が司っているので脳トレとして前頭葉機能訓練を積極的に行うことで脳の活性化を図り、お困りの症状の緩和の助けになればと考えます。

 

言語聴覚士
M.W



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