パーキンソン病の非運動症状

 パーキンソン病の4大症状には、「動作緩慢・無動」「筋強剛」「振戦」「姿勢保持障害」といった体の動きに対する症状が代表的ですが、見た目にはわかりにくい非運動症状も現れます。外来受診される患者さんの中にも、「人や虫が見える」「お菓子をむちゃ食いする」といった症状にお困りの方がおられます。今回は、精神・認知・行動障害に対しての対応方法についてご紹介します。

●幻覚、妄想
パーキンソン病患者さんでの頻度は、約3~6割に生じる症状です。
「誰かが通った様な気がした」といった軽度の症状から始まり、明瞭な幻視、さらには妄想へと徐々に進行します。幻視では、人・虫・小動物などが見えることが多いです。
【対応】
強く否定せず、話を聞き、苦しい気持ちを理解して傍に寄り添うようにしましょう。部屋を明るくしたり、見えていないこと、幻覚であることを実感してもらうようにしましょう。錯視(天井の模様が虫に見えるなどの見間違い)になりそうなものを除去しましょう。

●衝動制御障害
男性では病的賭博・性欲亢進、女性では買いあさり・むちゃ食いといった症状があります。
【対応】
外来受診時に自宅での様子を医師に相談し、薬剤調整などの治療を行います。

●認知機能障害
家事や洗濯、料理などができなくなったり、気が散ってしまい物事が続けられない。新しいことを覚えられない。慣れ親しんだ環境から離れたり、体調不良や睡眠障害により、せん妄症状が現れます。
【対応】
自宅での生活様式を参考にして、リハビリを取り入れる。慣れ親しんだベッドの位置や枕などで環境を調整する。日中の覚醒を促し、覚醒と睡眠のリズムを整える。発熱や疼痛など不快な症状を取り除く。

非運動症状は、見た目にはわかりにくい症状です。お困りの症状があれば外来受診時にご相談下さい。

外来看護師
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