【パーキンソン病療養指導士・ニューロモデュレーションサポートプロバイダー・臨床工学技士として】

パーキンソン病(PD)は脳の中の「ドパミン」と呼ばれる神経細胞が減少し、振戦(ふるえる)、動作緩慢(動きが小さく・鈍くなる)、筋固縮(筋肉がこわばる)、姿勢保持障害(バランスがとりにくくなり、転びやすくなる)を主な運動症状とする病気です。

PD治療は多職種が関わる必要があり、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会が2022年よりPDナース・メディカルスタッフ研修会を開催しております。研修および確認テストを受講し、合格者には「パーキンソン病療養指導士」の資格が与えられます1)。

今回、臨床工学技士(CE)1名が4月の受講および確認テスト経て、2023年6月よりパーキンソン病療養指導士として活動しております。CEは2019年に日本ニューロモデュレーション学会の「ニューロモデュレーションサポートプロバイダー」の資格を取得しております。両資格を取得しているスタッフは全国でも少ないと思われます

PDは薬物治療とリハビリが主ですが、症状が進行したら、内科的治療および外科的治療としてデバイス補助療法(DAT)を導入します。DATは脳深部刺激療法(DBS)やレボドパ・カルビドパ持続注入療法(LCIG)です。DBSもLCIGは医療機器を患者自身が使用します。CEが手術での診療支援や患者や家族に対して機器操作指導を行います。(日本神経治療学会

2023年7月より新たなDATとしてホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物皮下持続注入療法が承認され臨床使用されております。DBSやLCIGとは違い、手術を必要としない治療です。お試しで導入することができ、途中で治療を中止することが可能です。新たなDATも医療機器を使用します。

PDは日々新しい治療が誕生し、恩恵を受ける患者が増えてきています。医師のみでは最適な治療を提供することは難しいです。多職種が専門性を活かすことで、最大限の治療効果を得ることができます。パーキンソン病療養指導士・ニューロモデュレーションサポートプロバイダー・CEとして、PD患者の治療に積極的に関わって参ります。

参考文献
1) 日本パーキンソン病・運動障害疾患学会PDナース・メディカルスタッフ研修会 実施要項 http://mdsj.umin.jp/kaisai/pd-youkou.html

※写真は 左から牟礼センター長、菱川望脳神経内科部長、高尾芳樹院長(脳神経内科)、ニューロコーディネーター(看護師)、臨床工学技士です。

 

臨床工学技士
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