【DBS手術にてアボット社製の新型刺激電池を植込みました】

令和7年7月24日、アボット社製新型刺激電池の植込み手術を実施しましたので、ご報告いたします。 今回の手術は、以前より脳深部刺激療法(DBS)を行っていた患者様に対し、電池残量の低下を受けて交換手術を行ったものです(図1)。 なお、患者様およびご家族のご了承を得て、今回の内容を掲載しております。
手術後には、多職種による説明会を開催し、実際の機器を用いてアボット社から操作方法のレクチャーを受けました(図2)。

新型刺激電池の主な特徴は以下の通りです¹:
– 刺激装置の小型化
– 充電頻度の低減
– Bluetooth®を用いた完全ワイヤレス接続
– 患者用コントローラがiPhoneに対応
– 遠隔診療機能の搭載

この新型刺激電池は充電式ですが、ニューロモデュレーション(NM)分野において、最も小型の製品と考えられます。(図3)。遠隔診療については、2025年4月のブログでも紹介した内容の実施が可能となっています

NM治療を提供できる施設は全国的にも限られており、多くの患者様が遠方より通院されています。 今回の新型電池では、患者様自身による充電によって交換手術の頻度を抑えることが可能です。また、遠隔診療の導入により、通院・入院の負担軽減が期待されます1)。
NMは医療機器を用いた治療であり、日々進化を続けています。当院では、国内で提供可能なすべての治療を実施しており、患者様の症状や状態に合わせた治療を行っております。 今後も最新の情報を積極的に発信してまいります。

倉敷平成病院 臨床工学科 主任 臨床工学技士(CE)
髙須賀 功喜
平成19年 広島国際大学保健医療学部臨床工学科卒業
学会・資格等
・ニューロモデュレーションサポートプロバイダー
・パーキンソン病療養指導士
・3学会合同呼吸療法認定士
・日本救急医学会認定ICLSインストラクター
・日本定位・機能神経外科学会
・日本ニューロモデュレーション学会 など



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