ごあいさつ

脳や脊髄・末梢神経系の機能異常によって、ふるえや異常な筋緊張などの不随意運動症や疼痛などの症状が出現します。これらの症状では、患者さんの生命に危険が及ぶことはありませんが、生活に支障が生じ、患者さんが心身共に健康に生活することが大変困難となります。パーキンソン病や本態性振戦、ジストニアといった不随意運動症や脊椎・脊髄疾患、末梢神経障害、脳卒中などの神経にキズが生じたことによって生じる神経障害性疼痛は現在のところ根治的な治療法がまだ確立されていません。

一方で、神経に対し、電気や磁気を当てたり、薬物を直接投与したりすることにより神経の機能を調整する治療方法があり、患者さんがお困りの症状を緩和することが可能です。この治療法は神経調節(ニューロモデュレーション)療法と呼ばれています。ニューロモデュレーション療法の多くは、専用の治療機械を体内に植込んで使用することが多いのですが、近年の医療工学技術の発展により、治療機械は小型化、高機能化して進歩しており、治療を楽に受けられ、より症状が改善するようになってきました。

ニューロモデュレーション療法は、手術を受けたらすぐに治療終了というわけではありません。神経の調節を行うために、外来等で継続的な調整が必要となります。当センターでのニューロモデュレーション療法は、患者さんと治療を長く向き合っていくために、脳神経外科、神経内科、リハビリ科、放射線科などの専門領域の診療科の医師をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、ケアマネジャーなどの多職種がチームを組んで治療に当たります。専属コーディネーターの看護師が、長期間の治療スケジュールをサポートし、患者さんが不安なくすごせるように寄り添っていきます。地域に密着した中規模病院の良さを生かして患者さんの生活を支えるトータルケアを行っており、患者さんや患者さんを支えるご家族が元気で笑顔のある生活を送っていただきたいと考えております。

上利崇

倉敷ニューロモデュレーションセンター長
脳神経外科専門医・医学博士
機能的定位脳手術技術認定医 上利 崇
(あがり たかし)

上利崇

倉敷ニューロモデュレーションセンター長
脳神経外科専門医・医学博士
機能的定位脳手術技術認定医
上利 崇
(あがり たかし)

医師経歴

平成4年3月 広島大学附属福山高等学校 卒業
平成10年3月 岡山大学医学部医学科卒業
平成10年4月 岡山大学医学部附属病院脳神経外科入局
平成10年11月 社会保険広島市民病院脳神経外科医員
平成13年11月 岡山大学医学部脳神経外科帰局(機能的脳神経外科グループ)
平成14年4月 岡山大学大学院医歯学総合研究科入学
平成16年11月 独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センターレジデント
平成17年11月 岡山大学医学部・歯学部附属病院脳神経外科医員
平成20年10月 岡山大学医学部・歯学部附属病院脳神経外科助教
平成29年4月 倉敷平成病院 倉敷ニューロモデュレーションセンター長


専門分野

機能脳神経外科

  • パーキンソン病
  • 本態性振戦
  • ジストニア
  • 疼痛など

資格・専門医・所属学会

  • 医学博士
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本定位機能神経外科学会 機能的定位脳手術技術認定医
  • 日本てんかん学会専門医・指導医
  • 日本ニューロモデュレーション学会
  • 日本パーキンソン病・運動障害疾患学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本てんかん外科学会
  • 日本運動器疼痛学会

書籍 機能的脳神経外科領域の専門書『ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A』

この著書は、機能的脳神経外科分野で行われる定位脳手術や電気刺激療法についての専門書となっており、この分野へ取り組もうとする脳神経外科医にQ&A方式で情報を提供し、参画を期待するものです。

岡山大学では50年以上前からこの分野に取り組まれており、その歴史や、近年MRIが高性能になり電気刺激の電極を埋め込む位置が極めて正確に同定できるようになったこと、実際の手術に必要な器材(フレーム、ワークステーション、鍼電極、記録装置など)の詳細について、実際の手術や術後管理等が記されています。

当センター センター長 上利崇と、臨床心理士 若森孝彰が、この専門書へ著者として協力させていただいております。
機能的脳神経外科を体系的に学びたい方には最適な一冊だと思われます。ご興味のある方は是非ご一読下さい。

  • 書籍名 ここが知りたい定位脳手術・電気刺激療法Q&A
  • 編 著 岡山大学大学院医師薬学総合研究科脳神経外科教授 伊達勲先生
  • 出版社 中外医学社
  • 発 行 2019年04月

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