菱川望脳神経内科部長がパーキンソン病診療の現状で講演されました

~ニューロモデュレーションセンターは脳神経内科と連携してパーキンソン病患者様の治療を行っています~
2023年6月22日に当院脳神経内科 部長菱川望先生Parkinson’s Disease Web Seminar「当院におけるパーキンソン病診療の現状」という演題名で講演されました。
ご高齢のパーキンソン病の患者様や経過の長い患者様では、便秘や痛み、しびれ、排尿障害、睡眠障害などの非運動症状や、併存疾患が増えるため、パーキンソン病の治療よりこれらの症状に対する治療薬が増える傾向にあります。中でも75歳以上のパーキンソン病の患者様では一日7種類以上薬を使われている方が約70%いらっしゃり、多剤併用による薬物有害事象のリスクや服用過誤といったリスクが高くなることも報告されました。
また、パーキンソン病の非運動症状の中でも非常に高頻度にみられるのが睡眠障害で、寝つきが悪いというより、眠りが浅い、すぐに目が覚めるといった睡眠の質が悪くなることが多いとのことでした。また、深い睡眠がとれるパーキンソン病の人は運動症状の進行が遅いといった報告や睡眠の質が悪い人や、睡眠時間が短い人がパーキンソン病になりやすいという報告もあるそうです。

ニューロモデュレーションセンターは脳神経内科と連携してパーキンソン病患者様の治療を行っています。DBS(脳深部刺激療法)によって運動症状が改善しても、睡眠障害などの非運動症状がコントロールできなければ患者様の生活の質向上につながりません。
当センターでは術前術後で終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、睡眠時無呼吸症候群の合併を診断するなど患者様の睡眠の質向上に取り組み、非運動症状へのケアも行っています。

終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー;PSG検査)とは、脳波・眼球運動・心電図・筋電図・呼吸曲線・いびき・動脈血酸素飽和度などの生体活動を、一晩にわたって測定する検査です。この検査により、睡眠時無呼吸症候群の確定診断、治療方針の決定、睡眠時随伴症などの睡眠障害の診断が可能となります。

愛知医科大学 パーキンソン病総合治療センター 特任教授 斎木英資先生

倉敷中央病院 脳神経内科 主任部長 進藤克郎先生
倉敷中央病院 脳神経内科 部長 北口浩史先生
倉敷中央病院 脳神経内科 医長 西田 聖先生

医療秘書
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