令和6年4月26日(金)にアッヴィ合同会社主催【DAT治療Update Seminar in倉敷~DBS専門医からみたヴィアレブの適正使用を考える~】がオンラインで開催され、当院牟礼センター長が総合座長として登壇しました。
デバイス補助療法(DAT)はパーキンソン病に対して機器を用いて治療となり、脳深部刺激療法(DBS)、レボドパ・カルビドパ 配合経腸用液療法(LCIG)があります。昨年7月より新たなDAT療法としてホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注入療法(LDP/CDP)が薬事承認されました。
第1部は大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科病院講師谷直樹先生と横浜市立大学附属市民総合医療センター脳神経内科診療講師木村活生先生より脳神経外科医と脳神経内科医の立場から講演しました。谷先生はDBS治療の自動調整機能におけるAdaptive DBS治療においては数多く研究や講演されています。DBS手術の利点や欠点、Adaptive DBSの効果について講演して頂きました。木村先生はDBS、LCIG、LDP/CDPすべてのDAT治療を経験されています。LDP/CDPの国際共同研究の解説やDAT療法の使いわけを詳しく講演して頂きました。
第2部は徳島大学大学院医歯薬学研究部脳神経外科学先端脳機能研究開発分野特任准教授森垣龍馬先生が加わられ、「個々の症例に適切なDAT療法を考える」をテーマに総合討論しました。LDP/CDPとDBSどちらを先に実施すべきか、LDP/CDPとDBSの併用療法の可能性など、熱い討論を行い終了となりました。
LDP/CDPは日本のみ使用することができないDAT療法でした。まだまだ知られていないことが多くありますが、恩恵を受けるパーキンソン病患者が多くいると思います。今回の講演にて経験豊富な先生の話を拝聴しとても勉強になりました。
当院は2017年よりDBS治療をはじめ、2021年よりLCIG治療しましたが、2024年3月からLDP/CDP治療を開始しました。今後もパーキンソン病治療の進化に対応していきたいと思います。