【パーキンソン病の新たなデバイス補助療法であるホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注入療法を開始しました】

パーキンソン病(PD)の新たなデバイス補助療法(DAT)である「ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注入療法(LDP/CDP)」を2024年3月6日より開始しました。DATは脳深部刺激療法(DBS)とレボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)がありますが、新たなDATとして注目されています。
LDP/CDPの投与システムを表示します(図1)。

皮下にカニューレ留置し、専用ポンプよりホスレボドパ製剤を24時間持続的に注入します。一定速度でホスレボドパ製剤が入ることにより、PDのウェアリングオフ現象改善が期待できます1)。カニューレは最大3日、シリンジは毎日交換が必要となるため、患者自身または介護者がカニューレ穿刺やホスレボドパ製剤の準備する必要があります。当院では手技取得のため7~10日入院して頂きます。入院中は本人のみならず介護者の方と一緒に練習し退院となります。最初の3ヵ月は2週間に1回程度の通院が必要です。
LDP/CDPにおける治療の1日を表示します(図2)。

ポンプを携帯するため、仕事や余暇を行う事ができ、外せば入浴も可能です。ポンプ速度も3種類設定し、追加投与可能なので症状にあわせた対応が患者自身でできます)。

3種類のDATにつきましてはそれぞれ利点・欠点がありますので(表1)、その使い分けについては症状に合わせて選択する必要があります。まずはパーキンソン病専門医にご相談していただきますようお願いします。倉敷ニューロモデュレーションセンターでは多くのPD患者様を診察しておりますので、すべてのDAT治療を行うことでさらに患者様を支えていきたいと考えております。す。今回のLDP/CDPも当センタースタッフが中心となって治療を行っていますので、安心してご相談してください。

※パーキンソン病療養指導士をもったスタッフが対応いたします。(過去のブログ)

※当院では、レボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(LCIG)デュオドーパⓇの患者サポート、管理を実施しています。
※パーキンソン病について

参考文献
1) 武田 篤 他 パーキンソン病療養指導士テキストブック. アルタ出版.2023.50-61
2) ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物持続皮下注治療システム医療従事者向けトレーニン資料.abbvie.1-45
3) 木村活生 他 神経治療39:177-182.2022

 

臨床工学技士
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