「MRIガイド下直達法による全身麻酔下微小電極記録なしの脳深部刺激療法(DBS)手術精度と治療効果」へ ご協力のお願い

2017年4月1日~2018年8月31日の間に
当科において新規(再手術を除く)の視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を
受けられたパーキンソン病の患者さんおよびそのご家族の方へ

「MRIガイド下直達法による全身麻酔下微小電極記録なしの脳深部刺激療法(DBS)手術精度と治療効果」へ
ご協力のお願い

1. 研究の概要
1) 研究の背景および目的
進行期パーキンソン病では、長期の薬物療法により、薬物の効果の持続時間が短縮し(ウエアリングオフ現象)や、薬物誘発性の不随意運動(ジスキネジア)が出現する場合があります。これらの症状に対して薬物療法での調整が困難な方には、脳深部刺激療法(DBS)が適応となり、薬物療法とDBSを併用することで、症状の日内変動の改善を得ることが可能です。
これまでDBSの手術では、術中に覚醒した状態で細い針電極を用いて脳の神経活動を記録し(微小電極記録)、視床下核という脳の小さな神経核を見つけ出すことが標準的な手術方法でした。微小電極記録による手術方法は、術中に確実に視床下核の存在を確認できるため、手術の精確性、確実性において非常に有用ですが、一方で、微小電極記録に長時間を要し、その間に手術の穿頭部位から髄液が漏れることで、脳が移動し、かえって手術精度が低下するリスクがありました。さらに高齢な患者さんや軽度の認知機能低下がある患者さん、覚醒した状態で手術を受けることに強い不安がある患者さんには不向きでした。
近年、高解像度MRIにより、標的である視床下核の描出が非常に明瞭となり、手術計画を立てる段階で、精度の高い手術が行えるようになり、高解像度MRIガイド下直達方法を用いて、術中微小電極記録に頼らない全身麻酔下での短時間の手術の実施が可能となっています。
そこで、この研究では、全身麻酔下で微小電極記録を用いずに行った手術の精度や有効性について検討します。微小電極記録を用いて手術を受けられた患者さんと、全身麻酔下で微小電極記録を用いずに手術を受けられた患者さんのカルテなど診療情報より、患者さんの背景因子(年齢や病状など)、手術時の精度や合併症、治療成績などの情報を収集し、検討を行います。このような検討を行うことで、今後、患者さんが安全かつ侵襲度の低い手術を選択できるようになり、さらに治療成績が向上することを期待しています。

2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
本研究は、従来の手術方法よりも、さらに精度を高め、かつ短時間で行える手術手技を提唱するもので、高齢者または重症度が高く覚醒下での長時間手術が不向きな患者さんに対しても、安全かつ精度の高い手術を受けられる点で有用であり、意義のある研究と考えられます。

2. 研究の方法
1) 研究対象者
2017年4月から2018年8月まで当院で、新規(再手術を除く)の視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられたパーキンソン病の患者さんです。

2) 研究期間
2019年9月1日~2020年3月31日

3) 研究方法
2017年4月1日~2018年8月31日の間に当院において新規(再手術を除く)の視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられたパーキンソン病の患者さんで、研究者が診療情報をもとに年齢・性別・既往・症状・血液検査結果・画像所見(CT・MRI)・治療情報・合併症に関するデータを選び、手術の精度及び安全性・治療結果に関する分析を行います。

4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・患者基本情報:年齢、性別、既往、症状
・血液検査、画像所見(CT、MRI、核医学検査)
・治療情報、合併症に関するデータ

5) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、倉敷平成病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、臨床研究審査専門委員会にて承認を得ます。承認された後にホームページ等で研究内容の公表を行い、拒否機会を設けます。
一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。

6) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年10月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先(研究責任者):
倉敷平成病院 脳神経外科 上利 崇
住所:岡山県倉敷市老松町4-3-38
電話番号:086-427-1111(代表)

倉敷平成病院 広報担当



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