当院の牟礼センター長は昨年まで徳島大学脳神経外科に所属しておりましたが、共に神経系の臨床・研究をされていた、宮本亮介先生が2021年4月より月に1度当院にて、不随意運動外来(診療日は第3火曜日の10時~14時)をしてくださっています。
対象
小児から高齢まで年齢に関係なく、痙性斜頚、眼瞼痙攣、書痙、音楽家の痙攣などジストニアを含めた不随意運動(運動異常症)でお悩みの方
具体的な治療法
- ボトックス注射(ボツリヌス療法)
緊張や攣縮している筋にボツリヌス毒素製剤を注射することにより、筋の攣縮および緊張を改善。ボツリヌス毒素製剤は神経筋接合部で神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を抑制する。これにより、アセチルコリンを介した筋収縮が阻害される。これによって、頭の傾き、痛みを改善します。
個人差はありますが、通常1回の施注で約3~4ヵ月効果が持続します。 - 内服薬
- MAB(Muscle Afferent Block)
緊張している筋肉内に局所麻酔薬を筋肉内注射することにより、患部の運動や姿勢に関連した異常な感覚情報をブロックする治療法
宮本先生のご紹介
宮本先生になぜこの分野を専門とされたのか、質問すると「徳島大学特命教授、国立病院機構宇多野病院院長の梶 龍兒(かじ りゅうじ)先生に師事されたことがきっかけ」とのことです。梶先生は、この分野の第一人者とのことで「ジストニア診療ガイドライン2018」の編集委員長を務めておられます(宮本先生も作成委員)。
宮本先生は、徳島大学 パーキンソン病・ジストニア治療研究センター副センター長も務めておられ、痙性斜頚、眼瞼痙攣、書痙、音楽家の痙攣などのジストニアに対して、内服治療、MAB、ボツリヌス毒素治療に加え、脳神経外科と共同して深部脳刺激を行っておられるそうです。
当院でも、牟礼センター長と協力して、パーキンソン病やジストニア(不随意運動)の患者さんの治療にあたっておられます。
診療をご希望の方は、お電話でご予約を承っております。
【参考資料】
※梶先生がご出演されたNHKきょうの健康「ジストニア」
※痙性斜頸の治療について
痙性斜頸などの「不随意運動」の原因は、脳の深いところ、おもに運動をつかさどる視床、視床下核、淡蒼球など、大脳基底核の異常と言われています。
DBSは、手術によって脳に電極を挿入し、胸部にはパルス発生器をそれぞれ埋め込み、異常を来たしているこれらの部位を電気刺激することで、症状を緩和させる治療法です。