第61回日本定位機能神経外科学会参加報告:パーキンソン病に対する脳深部刺激療法

 

2022年1月28日と29日に第61回日本定位機能神経外科学会が開催されました。会場は大阪の大阪国際会議場であり、コロナウィルスの影響により現地発表とオンライン発表のハイブリッド開催となりました。

倉敷ニューロモデュレーションセンターからは牟礼センター長をはじめ、4名が参加しました。
 

牟礼センター長は、シンポジウムでパーキンソン病に対する脳深部刺激療法の最新の治療法について発表されました。2020年11月から使用が可能になったaDBS(Adaptive DBS)は、パーキンソンの症状(動きにくさなど)と脳波の一種であるLFP(Local Field Potential:局所フィールド電位)には強い相関があることがわかっており、動きにくさに関連したLFPが出現した時に脳深部刺激を自動で調整してくれるシステムになります。この自動調整により術後パーキンソン症状が改善した患者さんも多くおられますが、自動調整よりも固定した刺激の方が良い患者さんやLFPが取得できない患者さんには自動調整の設定ができないため、その点は今後の課題となりました。さらに、臨床工学技士、理学療法士、公認心理師は各専門分野の内容に添った発表を行いました。

 
本学会では、パーキンソン病に対する脳深部刺激療法の自動調節機能の効果、本態性振戦やパーキンソン病の症状を改善するFUS(MRIガイド下集束超音波治療)、慢性疼痛や腰下肢痛に対する脊髄刺激療法の新しい刺激方法などがホットな話題でした。

 

これからも倉敷ニューロモデュレーションセンターでは研究を継続しながら、最新の情報を取り入れ、患者さんやご家族にとって良い治療を提供できるようにしていきたいと思っています

 
倉敷ニューロモデュレーションセンター 公認心理士
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