近年、パーキンソン病に対する社会的な認知は確実に広がってきています。美川憲一さんやみのもんたさんといった著名な方々が病気を公表されたことで、病名を耳にする機会が増え、診断を受けたご本人やご家族の心理的な孤立の軽減につながっていると感じます。
医療の分野では治療法や薬物療法が進歩し、パーキンソン病と診断された後も、仕事や趣味活動を続けながら自分らしい生活を維持することが、以前より現実的になってきました。一方で、パーキンソン病は長期にわたり介護や日常生活のサポートが必要となることの多い病気でもあります。症状や進行には個人差があり、日によって体調や動きやすさが変わることも少なくありません。病状が進むにつれて、日常動作や外出、服薬管理などに支援が必要となり、介護する側の負担が増える場合もあります。長く付き合っていく病気だからこそ、ご本人やご家族だけで抱え込まず、医療機関や介護サービス、地域の支援を活用しながら、無理のない形で向き合っていくことが大切です。
パーキンソン病とともに暮らす日常を知る一つの手がかりとして参考になったのが、小川公子さんの著書『ゆっくり歩く』です。本書では、著者がパーキンソン病を患う母親と向き合いながら、介護やケアに試行錯誤し、戸惑いや失敗を重ねながらも、その都度考え、関わり方を見つめ直していく姿が綴られています。患者さまとご家族の関わり方やパーキンソン病を考え正しく理解する際の一助となる一冊だと感じました。
倉敷ニューロモデュレーションセンターでは、患者さま一人ひとりの生活背景や価値観を大切にしながら、医療的な視点だけでなく、日常生活や将来を見据えた支援についても共に考えていくことを大切にしています。パーキンソン病とともに生きる社会が、より理解に満ちた成熟したものとなるよう、今後も情報発信と支援に努めてまいります。
※画像はイメージです(写真AC)














