【第34回日本臨床工学会 参加報告】

令和6年5月18日~19日に福井県福井市で開催された第34回日本臨床工学会に参加しました。この学会は日本臨床工学技士会と福井県臨床工学技士会が主催して開催されました。

今回の学会では1日目に一般演題で「パーキンソン病に対するadaptive DBSの臨床評価について」発表しました。
「adaptive DBS」とは局所フィールド電位(LFP:Local Field Potential)を計測・記録するBrainSense™機能と、LFPの変化に基づいて医師が設定した範囲内で刺激の出力を自動調整できるaDBS™機能を搭載した神経刺激装置のことです。

このLFPはパーキンソン病の無動・寡動・筋強剛などの症状と相関することが研究で示唆されています。当院でもDBS治療にadaptive DBSを搭載したPercept PC(脳深部刺激装置)を使用しています。
LFPは記録を行うと同時に治療電極から刺激を行うことができることから、外来診察中だけでなく日常生活でのLFPを継続的に記録することが可能で、患者さんの症状に合わせて刺激をコントロールできる可能性があります。
今回の演題内容は術後1年経過した患者さんを対象に臨床症状について運動機能評価・症状評価・LFP変動など、今後の課題について発表を行いました。
また、同セッションで「当院での脳深部刺激療法と臨床工学技士の役割」について発表された福岡みらい病院の臨床工学技士さんもDBS治療に専従しており、学会終了後もそれぞれの視点でディスカッションを行うことができ有意義な学会参加となりました。
今後も臨床工学技士がDBS治療(脳深部刺激療法)に深く関われるよう努めたいと思います。

 

臨床工学技士
S・T



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