パーキンソン病患者さんのすくみ足について

今回は、パーキンソン病の運動症状の1つである、すくみ足についてお話したいと思います。すくみ足とは「歩行の意志があるにもかかわらず、なかなか足を前に踏み出すことができず効率的な前方移動ができなくなる短時間の現象」のことを言います。
すくみ足は転倒リスクの増大、生活の質低下との関連が報告されており、パーキンソン病患者さんの日常生活を制限する症状の1つです。

すくみ足は以下のような状況で出現しやすいという特徴があります。
・歩行開始時
・方向転換時
・狭いスペースを歩くとき
・椅子などの目標物付近
・多重課題下(考え事をしながら歩行をするなど)

日常生活で実践しやすい対処法としては,以下のようなものがあります。
・「1・2・1・2」などのかけ声による合図を出して,足を前に踏み出すきっかけを作る
・足下に線を引いて,それを跨ぐように足を踏み出す
・部屋を片付け,歩くスペースを広く保つ
・方向転換時には,その場で回らず大きく回ることを意識する

すくみ足に悩まれている方で、上記の方法をまだ実践されていない方は試して頂ければと思います。
また、足を前に踏み出せない状況で焦りが加わると,さらにすくみ足が悪化しやすいです。ご家族の方などパーキンソン病患者さんと一緒に歩行をされる際には、ゆっくりと焦らないよう見守りながら、上記のような声かけなどで足を出すきっかけを作るサポートをして頂くと良いと思います。

※日本神経学会ホームページ

倉敷平成病院 理学療法士
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