ニューロモデュレーションセンターにおける作業療法士の役割

ニューロモデュレーションセンターでは多くの職種が関わり、それぞれが連携を取りながら業務に当たっています。そして、作業療法士の役割は主に手術前後の患者様に対して「日常生活の聞き取り」と「手の動きの検査」、「日常生活動作の練習・指導」を行なうことです。

日常生活の聞き取りでは、会話や着替え、趣味活動などの項目についてどの程度ご自身で行っているのかを質問していきます。症状の日内変動を考慮して動きの良い時と悪い時の差がどの程度あるか、などについても聴取します。
手の動きを診る検査では、ペグボードを用いた手先の細かい動き、書字を評価します。ペグボード検査では、動作の中で固縮(体のこわばり)や寡動(動きの重さ)、振戦(手の震え)の影響がどの程度あるか、などを観察します。書字検査では、筆圧やスピードはどうか、線の揺れがないかなどを評価します。パーキンソン病独特の症状として字が小さくなる減少(小字症)もみられることがあり、その有無も含めて動作を観察します。仕事や趣味活動など患者様にとって特に重要な活動があれば、実際にその動作をしてみていただくこともあります。

検査以外では運動療法や日常生活上の助言、指導を行ないます。パーキンソン病の患者様は体調や症状の日内変動がみられることがあります。そのため、個々の症状に応じて指導内容の工夫を行ない、その時の様子や症状変化について多職種と情報共有するなどチームアプローチを重視して関わっています。

私はニューロモデュレーションセンターに配属されて1年になりますが、その間に多くの患者様と関わってきました。手術後に患者様から「前よりも動きやすくなった。」という話を聞くと嬉しいですし、感謝の言葉をかけて頂くとやりがいを感じます。これからもニューロモデュレーションセンターを利用される方が安心して生活できるようお手伝いできればと思います。
※写真はイメージです

日本作業療法士協会 【作業療法ガイドライン パーキンソン病2022】

 

作業療法士
K



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