パーキンソン病と発汗  ~脱水にご用心~

パーキンソン病の患者さんから「夜中に汗が多い。時間がたつと汗が冷えて冷たいから着替えたいけど、深夜に一人で着替えるのが大変。」と聞くことがあります。
パーキンソン病では50~60%に発汗障害を認め、特徴としては上半身や顔を中心に汗が多くなり、原因のひとつとして、視床下部などの発汗をコントロールしている部位でのパーキンソン病変の出現が考えられているようです。発汗は多くなる場合もあれば少なくなる場合もあり、高度のジスキネジアが出ているときに発汗が増えることもあればオフの時に増えることもあるそうで個人差があります。
汗をかくことで身体から失われる物があります。それは水分とミネラル、ビタミンB群。ミネラルとはナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分などのことを言い、多量に汗をかいたときには、それらのミネラルも一緒に排出されてしまいます。なんとなく怠い、元気が出ない、明け方に足がつる、なんて時は脱水からのミネラル不足かもしれません。
パーキンソン病の人は筋肉が痩せているので水分保持が低く、嚥下障害で飲水量が少なかったり頻尿などで、より脱水になりやすいと言われています。脱水を予防するために、水分をしっかり飲む必要があります。水分はInとOutで考えることが大切です。トイレ回数が多い、汗が多いという場合は飲む量を増やしましょう。いつも以上の大量の汗をかいた場合はスポーツ飲料でミネラルを補給するのも良いでしょう。汗が多いとカロリーを消費していると思いがちですが、暑さで出る汗は体温調節のために水分を毛穴から出し体の表面を外気で冷やそうとしているだけで、実はほとんどカロリーを消費していません。甘い飲物ばかりを飲み過ぎないように注意してください。また、内服薬が発汗量に関係する場合もあるので、困った時はご相談ください。

このように、食事面からニューロモデュレーションセンターのサポートができるよう、管理栄養士も頑張っていきます。

ちょうど6月6日にパーキンソン病やレビー小体型認知症でのαシヌクレイン沈着を捉えるPET薬剤を開発~生体脳で可視化することに世界で初めて成功~というニュースが発表されました。治療の進歩に期待が高まります。

 

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倉敷ニューロモデュレーションセンター 管理栄養士 
A子



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