「ふるえ」はよく経験する現象の一つです。人前に出て緊張したときや、寒いときにでる生理的で正常なふるえもありますが、脳神経や内科の病気が原因の「ふるえ」もあります。病気が原因のふるえの場合、治療によって症状の改善が期待できます。
ふるえを起こす代表的な脳神経の病気に本態性振戦と、パーキンソン病があります。
そこで今回「FUS」治療についてご案内します。
FUS(MRガイド下集束超音波療法)とは
FUS(MRガイド下集束超音波療法)とは、ふるえの原因となっている脳内の部位を、MRIで確認しながら、脳深部にある振戦の神経活動が異常な部分に超音波により熱凝固することで、症状を改善させる治療法です。
メスを使わない外科的治療で、従来の手術療法のように頭蓋骨に孔をあける(穿孔)必要がないため、出血や感染リスクが少ないと考えられています。
治療対象
本態性振戦のふるえ
- 手の震えで字がうまく書けない
- 食事の時に箸やコップをうまく持てない
- 手足や頭などが意に反してふるえてしまう
パーキンソン病のふるえ
- じっとしている時(安静時)にふるえる
FUS(MRガイド下集束超音波療法)の特徴
CTで頭蓋骨の形状や厚さ、密度などを検査。MRIで頭の様子を撮影し治療の可否判断をします。
治療中はMRIの中に入り、ふるえ症状を改善する部位を医師が決定し、熱凝固します。
短時間のうちに治療効果を確認できます。
岡山県内におけるFUS(MRガイド下集束超音波療法)の状況
県内では、岡山大学病院・岡山旭東病院・倉敷平成病院の3病院で運営を基本方針に、2021年4月に岡山旭東病院に導入されています。
当院からは牟礼英生センター長が参画されています。
※牟礼センター長が治療に参加された記事はこちら
まとめ
FUS治療の適応になるか、まずは鑑別診断が大切になります。
「ふるえ」でお困りの方、治療についての詳細が知りたい方はお気軽にご相談ください。