2026.9.24婦人科コラム
月経痛・PMSは我慢しなくていい|女性アスリートのための基礎知識

「試合前に限って月経痛がひどい」「黄体期になるとイライラして集中できない」。
こうした悩みを抱えながら競技を続けている女性は少なくありません。
実際にアスリートを対象とした調査では、約4人に1人が月経困難症を、約7割がPMS(月経前症候群)の症状を経験しているというデータもあります。
今回は、月経困難症とPMSの基礎知識、そして対処法について紹介します。
月経困難症とは
月経困難症とは、月経にともなう下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が強く、日常生活や競技に支障をきたす状態のことです。大きく2つのタイプに分けられます。
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機能性月経困難症は、子宮内膜症などの病気を伴わないタイプで、初経後1〜2年ごろから始まり、10代後半〜20代前半に多くみられます。
月経開始前後に強く痛み、成長とともに軽くなっていく傾向があります。器質性月経困難症は、子宮内膜症や子宮筋腫など、はっきりとした病気が原因となるタイプです。
「痛みが強い=重い病気」とは限りませんが、痛みの出方が変わってきた場合や、鎮痛剤が効きにくくなってきた場合は、一度婦人科で相談してみるとよいでしょう。
初経から10年以上経ってから始まることが多く、年齢とともに悪化しやすいのが特徴です。月経時以外にも痛みが出る場合は、こちらの可能性も考える必要があります。
PMS(月経前症候群)とは
PMSは、月経前の3〜10日間続く心身の不調で、月経が始まると軽くなったり消えたりするのが特徴です。
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精神的症状:イライラ、怒りっぽさ、気分の落ち込み、不安感など
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身体的症状:下腹部の張り、頭痛、腰痛、むくみなど
原因はまだ完全には解明されていませんが、黄体期にプロゲステロンというホルモンが急激に低下することが、脳内の神経伝達に影響し、こうした不調を引き起こすと考えられています。
なお、PMSのうち精神的な症状が特に強い場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれる、より専門的なケアが必要な状態のこともあります。
気分の落ち込みが強く日常生活に支障が出ている場合は、我慢せず専門医に相談してください。
対処法にはどんなものがあるか
月経困難症やPMSには、いくつかの対処法があります。
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鎮痛剤は、月経痛の原因となる物質(プロスタグランジン)の産生を抑える薬で、痛みが強くなる前に早めに使うと効果的とされています。
多くの鎮痛剤はドーピング禁止薬に含まれておらず、競技中でも使用可能です。
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低用量ピルなどのホルモン療法は、排卵をコントロールすることでホルモンの波を穏やかにし、月経痛や出血量、PMS症状の軽減が期待できます。
避妊薬というイメージが強いかもしれませんが、実際には月経困難症の治療薬としても広く使われており、多くの製剤はドーピング上も問題なく使用できます。
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生活習慣の工夫も大切です。バランスの良い食事、十分な休息、適度な有酸素運動、カフェインやアルコールの摂取制限などが、症状の緩和につながるとされています。
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漢方薬を選ぶ選手もいますが、一部の漢方薬にはドーピング禁止物質が含まれることがあるため、使用前に必ず成分を確認することが大切です。
ピルは「試合日程の調整」にも使える
低用量ピルには、月経困難症やPMSの改善だけでなく、月経が来るタイミングを調整できるという特徴もあります。
試合や合宿の時期に月経が重ならないよう計画的に服用したり、継続服用によって月経の回数自体を減らしたりすることも可能です。
「大事な試合の日に月経と重なったらどうしよう」という不安を減らせることも、ピル活用の大きなメリットのひとつです。ただし、片頭痛(特に前兆のあるタイプ)や血栓症のリスクがある方など、使用が慎重になるケースもあるため、自己判断せず婦人科で相談しながら選択することが重要です。
まとめ
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月経困難症・PMSは「我慢するもの」ではなく、治療でコントロールできる
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鎮痛剤やホルモン療法の多くは、ドーピング上も問題なく使用できる
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低用量ピルは、症状の緩和だけでなく試合日程の調整にも活用できる
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漢方薬は、禁止物質を含むことがあるため成分確認が必要
月経に伴う不調は、「みんな我慢しているから自分も」と思いがちですが、決してそうではありません。婦人科やスポーツドクター、薬剤師に相談することで、競技も日常生活もずっと快適になる可能性があります。
一人で抱え込まず、まずは相談してみてください。
