山陽新聞プレミアム倶楽部 2022年4月1日

山陽新聞プレミアム倶楽部 2022年4月1日

理念を胸に地域医療へ貢献

社会医療法人 全仁会 理事長 高尾 聡一郎氏

コロナ禍の影響はいかがですか。

 まだまだ見通しは立ちませんが、行政や他の医療機関との連携が非常に重要と感じています。ワクチン接種や治療についてはもちろん、通常の外来・入院診療も多大な影響を受けています。特にオミクロン株による第6波の影響は深刻でした。しかし何よりも患者さん、地域医療を守るという気概を持って取り組んでいます。

今年、認知症疾患医療センターが開設10周年を迎えます。

 当院では1988年の開院当初より、認知症の予防・診断・治療に取り組んでいました。当時珍しかった「もの忘れ外来」を開設し多職種でのチーム医療を実践。2012年の岡山県初の指定医療機関選定(4施設)につながったと考えます。センターは認知症の専門医を置き、かかりつけ医や介護・医療現場の連携を深め、類似症状の多い認知症の的確な診断と治療につなげることを目的としています。治療だけでなく認知症との共生を模索することも大切です。行政やそこに住む人々、地域の医療・福祉機関との連携が欠かせません。当院もその中核を担っていければと考えます。

ニューロモデュレーションセンターは開設5周年になりました。

 ニューロモデュレーション(神経調整)は、異常をきたした中枢および末梢(まっしょう)の神経の機能に対して、体内に電極を入れ、微弱な電気を流して神経活動を調整していく特殊な技術で、特にパーキンソン病、難治性疼痛(とうつう)に有効な治療法です。医療工学技術の進展により、電気の流れる方向や強さを細密に調整でき、治療効果が格段に上がりました。幅広い疾患に適応されるのですが、まだ知らない方も多いので、より周知したいと思います。

昨年、創立30周年記念事業である病院の増改築事業が完了しました。

 新築の救急棟では救急・外来・手術機能を強化した一方、既存棟もリニューアルし、動線や機能性の向上を進めました。同時に病院内のIT化を進めるなどハード・ソフト両面で飛躍の準備が整いました。今年のスローガンは「REBORN〜想(おも)いをつなぎ 新しい全仁会へ〜」。昨年8月に亡くなった創設者で私の父でもある高尾武男前理事長が掲げた理念「救急から在宅まで何時(いつ)いかなる時でも対応します」を大事に守りつなぐとともに、患者さん本位の医療をより進化させ、新しい全仁会になることで地域貢献してまいります。

山陽新聞 2022年4月1日 掲載