山陽新聞プレミアム倶楽部 2019年4月1日

山陽新聞プレミアム倶楽部 2019年4月1日

救急から外来まで幅広く対応

社会医療法人 全仁会 理事長 高尾 聡一郎氏

病院の特徴を教えてください。

「救急から在宅までいついかなる時でも対応します」という理念のもと、1988年に脳神経疾患専門病院として開院しました。その言葉が体現する通り、特に力を入れている救急医療では、倉敷市内で3番目に多い件数の救急車受け入れに対応。外来診療ではスポーツ外来などの各専門外来をはじめ、糖尿病の合併症などにも総合的に対応できる22の診療科を有し、岡山県内最大規模を誇るリハビリや、専門性の高いコ・メディカルが患者さんのニーズに応えるべく、昼夜研鑽(けんさん)しています。
 診療だけでなく病気の予防から患者さんと向き合い、ご本人やご家族が安心して生活できるための支援には、多職種が協力しチーム医療で取り組んでいます。また、退院された後でもご自宅への復帰が難しい方、機能訓練がしたい、万全の見守り体制のもとで心穏やかな生活を送りたいと希望される方など、それぞれの思いや環境に合ったサービス・お住まいをご案内し、切れ目のないケアをご提供します。

新しい取り組みがあるそうです。

昨年4月に「神経放射線センター」を開設しました。3台の3・0テスラMRIを用いた画像診断に、神経放射線診断医が長年の経験と実績で取り組んでいます。設備面では、昨年の創立30周年を機に救急棟・外来の増改築を計画し、3年間の工事予定で着工となりました。期間中、近隣の方にはご不便をお掛けすることもあるかと思いますが、ご理解いただきたいと存じます。新病棟の完成は新しい全仁会と、今後進化し続ける法人の象徴となるプロジェクトであると考えます。

今後の展望をお聞かせください。

いまだ爪痕の癒えない昨年の西日本豪雨災害は、地域がわれわれに求めるものを肌で実感する出来事でした。連携協定を結んでいる国際医療ボランティアAMDAとの現地ボランティアや避難所への巡回診療など、刻々と変化するニーズに対応するために職員一同砕身してきました。未曽有の経験を通し、地域に対して安心できる医療・介護を提供し続けるという職員一人一人の意識も新たに、全職員が能力を最大限生かせる組織になるよう、そしてその力を一つに結集し地域医療への貢献という同じ目標に向かって邁進(まいしん)するよう、開院当初から培ってきた実績、住民の方々の信頼を基盤に、これからも一層地域に根付いた活動に努めていく所存です。

山陽新聞 2019年4月1日 掲載