「進行期パーキンソン病に対する脳深部刺激療法における指向性刺激の必要性および有用性の検討」へのご協力のお願い

2017年4月1日~2019年3月31日の期間中に
当科において指向性刺激が可能な刺激システムを用いて視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられたパーキンソン病の患者さんおよびそのご家族の方へ

―「進行期パーキンソン病に対する脳深部刺激療法における指向性刺激の必要性および有用性の検討」へのご協力のお願い―

1. 研究の概要
1) 研究の背景および目的
進行期パーキンソン病では、長期の薬物療法により、薬物の効果の持続時間が短縮し(ウエアリングオフ現象)や、薬物誘発性の不随意運動(ジスキネジア)が出現する場合があります。これらの症状に対して薬物療法での調整が困難な方には、脳深部刺激療法(DBS)が適応となり、薬物療法とDBSを併用することで、症状の日内変動の改善を得ることが可能です。
DBSは目的とする脳内の組織に細い電極リードを挿入し、前胸部や側腹部などに埋め込んだ刺激装置から弱い電流を持続的に脳に流すことによって、脳の神経活動に変化を与え、パーキンソン病の症状を改善する治療です。これまでDBSで使用されていた脳内リードは先端部分に4個のリング状の電極が配列しており、4個のいずれかを選択して電気刺激を行っていました。2017年から新しいDBSシステムが開発され、脳内リードは先端が4個配列しているのですが、そのうちの真ん中の2個の電極はさらに3個のセグメントに分割されており、合計で8個のコンタクトになった指向性リードが使用可能となり、3個のセグメントの選択方法により、電気刺激を行う領域がリードを中心とした同心円状の範囲を刺激する(同心円刺激)だけでなく、方向性をもたせた刺激を行う(指向性刺激)ことが可能となっております。指向性刺激では刺激を限られた範囲で行うことが可能になるため、副作用が出現する領域への刺激は抑え、目的とする部位を選択的に効率よく刺激することにより、副作用を最小限に抑えつつ、より良い治療効果を発揮することが期待できます。
ところが、このようにDBSのシステムは確実な進歩を遂げているものの、従来の刺激方法である同心円刺激と、指向性刺激の選択基準については明確な指針はなく、治療を受ける患者さんの症状改善、副作用の発現の状況をみながら、医師が個々の患者さんに最適と考えられる刺激方法を選択していることが現状です。最終的には個々の患者さん、最適な刺激条件に落ち着きますが、頻回に外来通院が必要になったり、入院での刺激調整に期間を要したりし、年単位の調整期間が必要になる場合もあります。
そこで、この研究では、DBS手術を受けた後、どのような患者さんにおいて指向性刺激が必要であるか、また指向性刺激の有用性について検討します。
当科において指向性刺激が可能な刺激システムを用いて視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられた患者さんのカルテや画像検査などの診療情報より、患者さんの背景因子(年齢や病状など)、手術後の電極位置と標的となるSTNの位置関係、STN-DBSの治療成績などの情報を収集し、検討を行います。このような検討を行うことで、STN内の電極の最適な位置を割り出すとともに、電極位置による刺激方法の選択基準を明確にし、安全かつ治療効果の高いDBSを早期から患者さんに提供できるようになることを目指しています。

2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
本研究は、指向性刺激を選択する必要性及びその有用性について、標的であるSTNと電極留置部位との距離と指向性刺激の選択状況との関連を明らかにし、さらに指向性刺激を選択した際の刺激の方向性からSTN内の最適な刺激部位を推定し、安全かつ治療効果の高い最適な刺激条件を画像所見から推定することができるようになるという点で意義のある研究であると考えられます。

2. 研究の方法
1) 研究対象者
2017年4月1日から2019年3月31日まで当院で、指向性刺激が可能なDBSシステムを用いて視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられたパーキンソン病の患者さんです。

2) 研究期間
2017年4月1日~2020年3月31日

3) 研究方法
2017年4月1日~2019年3月31日の間に当院において指向性刺激が可能なDBSシステム(アボット社製、ボストン社製)を用いて、視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)手術を受けられたパーキンソン病の患者さんで、研究者が診療情報をもとに年齢・性別・既往・症状・血液検査結果・画像所見(CT・MRI)・薬物内服状況や刺激条件などの治療情報・合併症に関するデータを選びます。
術前・術後のCT、MRIから電極の位置を割り出し、標的であるSTNと電極位置との距離を算出します。術後に指向性刺激を行っている患者さんと、同心円刺激を行っている患者さんとの間で、STNからの電極の距離と相関があるかどうかを分析します。また、指向性刺激を行っている患者さんではSTNのどの方向に向けて刺激を行っているかを測定し、STN内での最適な電極留置部位に関する分析を行います。指向性刺激と同心円刺激を行う患者さんとの間で、治療効果(運動症状の改善度)や、薬物内服状況、DBSの刺激状況(電力消費量など)で相違があるかどうかを解析します。

4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報を削除して使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・患者基本情報:年齢、性別、既往、症状
・血液検査、画像所見(CT、MRI、核医学検査)
・治療情報(症状の改善、薬物内服状況、刺激条件の情報)
・合併症に関するデータ

5) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、倉敷平成病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、臨床研究審査専門委員会にて承認を得ます。承認された後にホームページ等で研究内容の公表を行い、拒否機会を設けます。
一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。

6) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2020年3月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先(研究責任者):倉敷平成病院 脳神経外科 上利 崇
住所:岡山県倉敷市老松町4-3-38 電話番号:086-427-1111(代表)

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