レムナント様リポ蛋白コレステロール RLP―C ( Remnant-like particle cholesterol )

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葡萄、西瓜、桃、梨、無花果、もう少しすると柿などおいしい果物が出回ります。果物には果糖、ブドウ糖、ショ糖などの糖質が含まれます、(果糖>ブドウ糖>ショ糖) 果糖そのものは血糖値を殆ど上昇させませんが下記の性質があるので、より甘く品種改良された果物や果糖・ブドウ糖液を使用した飲み物などは摂り過ぎると動脈硬化の元凶となり得ます。
果糖は、蛋白質と糖が結びついて作りだされる終末糖化産物を極めて生じ易く、肝臓での脂肪合成を誘導しやすい糖質であり、多く摂ると血中の中性脂肪濃度が上昇し肥満の原因となります。おいしくて食べると幸せ感のある果物ですが、肥満・動脈硬化・高脂血症・糖尿病・高血圧の方は食べる量に注意しましょう。
さて、本年5月から脂質代謝異常の評価項目としてRLP-Cが倉敷平成病院検査室で測定できるようになりました。コレステロールが動脈硬化に関連することは以前から知られていますが、種々のコレステロールの中で真の原因物質が何であるかはまだ確定されていません。LDLコレステロールのなかで小粒子のLDLコレステロールは酸化しやすく、酸化LDLコレステロール値が動脈硬化と密接に関連するとされてきました。しかし原因ではなくて動脈硬化の結果という見方もあります。
近年、リポ蛋白(カイロミクロンや種々のコレステロールの総称)の中でカイロミクロンとVLDLコレステロールがリポ蛋白リパーゼという酵素で分解されて残った代謝産物の「レムナントリポ蛋白」が動脈硬化の原因と考えられるという研究結果が発表されています。但しこの代謝産物は速やかに血中から消失するので測定が困難であり、その代わりに「レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)」を測定して評価します。
血液中の脂質は食後の時間と共に変化するものと変化しにくいものがありますが、このレムナント様リポ蛋白コレステロールは健常者では食後増加は少ないが、虚血性心疾患患者や糖尿病患者では食後増加しなかなか低下しないようです。(食後血糖値に似ています)
基準値は空腹時で7.5mg/dL以下です。糖尿病や冠動脈疾患の既往患者では5.2mg/dL以上は高リスクとされています。内臓脂肪蓄積群やメタボリック症候群ではLDLコレステロール値が基準内であってもRLP-Cが高値になっていたとの発表があります。「高レムナント血症」という概念も提唱されています。
レナント様リポ蛋白コレステロール値はカイロミクロンやVLDLコレステロールの代謝産物なので、これらを減らすことによって低下すると思われますが、これらは中性脂肪を多く含んでいるリポ蛋白です。利用されなかったブドウ糖がインスリン作用により肝臓に取り込まれ、また果糖はそのまま肝臓内で中性脂肪に変えられて脂肪組織に蓄積されていきます。従って過多の糖質を摂らないようにすれば、中性脂肪は減ってムナント様リポ蛋白コレステロール値が低下すると考えられます。

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