何もないのに痒い! 神経障害性掻痒

カテゴリー: 平成南町クリニック | 投稿日: | 投稿者:

冬 空気が乾燥して皮膚も乾燥し痒みの原因になることがあります。
当院では保湿剤として白色ワセリンを勧めています。ベタつくのが苦手な人もありますが、少量をよく延ばせば大丈夫です。界面活性剤を含む保湿剤は皮脂を溶かす可能性があり、お勧めしていません。

痒みの原因の多くは皮膚の変化ですが、皮膚に原因がなく胆汁うっ滞や慢性腎不全などの内臓疾患、また薬剤そのものよる痒みもあります。
しかし それらに該当せず、抗ヒスタミン薬の内服・外用薬、ステロイド外用薬などが効かない痒みがあります。神経障害性掻痒です。
痒みが起こる部分は、前頭部・頬部・上腕外側・手背・掌・下腿・足が多いようです。腕橈骨性掻痒症、背部錯覚感覚症などの具体的病名で表現されることもあります。
痒みが起こる理由として、神経障害性疼痛と同様の機序が考えられています。体性感覚神経系の過敏性や下行性疼痛修飾系における抑制系の機能減弱による痛みが神経障害性疼痛ですが、神経障害性掻痒も末梢の知覚神経過敏やかゆみニューロンの中枢性抑制の減弱が原因と考えられています。
神経障害性疼痛に有効なプレガバリンが、神経障害性掻痒にも有効とされています。

糖尿病の神経障害性疼痛に対してプレガバリンを少量から使用し始めた時に、何を使っても改善しなかった皮膚の痒みが軽減した方があります。

痒みは強い痛み程には深刻な悩みではないかもしれませんが、耐えられない痒みで掻きむしって出血したり傷が深くなって感染を生じたり、また睡眠障害の原因になることもあり、決して些細な悩みではありません。
先程のプレガバリンは、残念ながら神経障害性掻痒への保険適応はありません。
早く保険適応になるよう製薬会社が動いてくれることを願っています。

  平成南町クリニック 玉田